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「モータル・コンバット」の感想(ネタバレあり)

イオンシネマ京都桂川で鑑賞。

元がゲームである事も知らなかったのだけど、観る前にアトロクでやっていたモータルコンバット特集を聴いたら、色々と飲み込み易かった。

ヘンテコさも魅力

お話としては「何故?」みたいな展開が続くし、キャラクターも記号的だし、めちゃくちゃいい加減といえばそうなのだけど、「モータル・コンバット」というゲームを映画にする上で何が大切かを引き算的に考えた結果今回のバランスになっているとは思うし、辻褄合わせると上映時間長くなりそうだし、これくらいの短かさがちょうど良い。

そんな細かい事より僕はしっかりとしたアクション演出でのキャラクターの魅力の出し方、「モータル・コンバット」といえばこれ!みたいなサービス的なバイオレンスシーンの入れ方も最高だし、なにより今回の一番のMVPの真田広之のカッコよさが凄過ぎてラストの方のアクションシーンでは意味の分からない涙が出てきた。
もう良い所が好き過ぎて映画としてバランスの歪さすら魅力に感じてしまう位好きになった。

格闘ゲームの映画化

モータルコンバットだけじゃなく、ストリートファイターなど、格闘ゲームは大体そうだと思うのだけど、「こういうキャラとこういうキャラを闘わせたらどっちが強いのか?」という組み合わせの意外さが重要だと思うので、格闘スタイルや人種などバラバラにし統一性のないキャラクターが集まりがちだと思う。

もちろんゲームでプレイする分には、基本的にバトルシーンこそが重要なので、そのごった煮な世界観こそが魅力になっていくとは思うのだけど、これを一本の映画として面白くしていくのは、かなり難しい気がする。ストーリーありきじゃなく、キャラクターありきのジャンルなのでそれを繋げると世界観に無理がでがちな印象。単品の作品なしでいきなりアベンジャーズをやるみたいな無謀さというか。

ただこの映画はその辺は完全に開き直って、キャラクター!アクション!残酷描写!というこのゲームが本来持つ魅力を全面に押し出す作りなので、交通整理的なストーリーテリングとかはもういいんです!という潔さ。

映画前半、荒れ果てた荒野に場所が移った瞬間に字幕で「魔界」って出た瞬間に「これくらいの感じでいきます」という宣言になっているみたいで笑った。

ただ映画的な魅力が無いかと言えば、そんな事はなくプロデュースに入っているジェームズ・ワン印のバトルシーンはアクション映画としてとても見応えがあったし、どの俳優さんのチョイスも良く魅力的なので、めちゃくちゃな話なのに最低限には感情移入出来た。

真田広之

しかしなんといっても今回のMVPは真田広之。

冒頭のアクションシーンから素晴らしくて、日本の時代劇で今あそこまで血がドバドバ出てくるバイオレンスな描写ないと思うし、ハリウッドっぽい景気の良さ。
それでいてこういうアメリカ映画にしてはそこまで時代劇としても違和感なくて普通に侍と受け入れられたのは実は凄い気がする。

くないを紐に付けた遠距離攻撃と刀を使った近距離攻撃のバトルスタイルが少年漫画的なケレンがあってカッコ良い(元々ゲームなので当たり前か)

ラストの地獄の底から復活して登場するシーンは細かい理由はよく分からないけど、地獄の底でずっと闘う事を待ち続けた男の気迫を見事に体現していて、あまりにもカッコ良い。

宿敵サブ・ゼロを演じたジョー・タスリムの受けのアクション演技とかも上手くて、スコーピオン登場の所の「なんでお前生きてんねん!」の顔も最高だし、前回顔を傷つけられた技を防いだ時のドヤ顔も良かったし、観ながらこの2人にずっと闘っていて欲しいと思った。
おそらく見た事ない人でも、この2人は見るからにアクション俳優としての格が違うのが分かると思うし、強さ的にもこの2人の対決を映画のピークに持ってくるのは正しい。

とはいえ他の俳優さんもみんな良かった。
個人的にはパワーレンジャーのブラックで存在感を出してたルディ・リンが今回バッキバッキに身体を鍛えててめちゃくちゃカッコよかった。今後も変なアクション映画にいっぱい出て欲しい。


そんな感じで変な所もたくさんあるけど僕は大好きだった。そして春巻き食べたくなった。

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