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「M3GAN ミーガン」の感想(ネタバレあり)

お話し自体はこないだのAI化したチャッキーが大暴れする2019年公開版の「チャイルドプレイ」とめちゃくちゃよく似た話なのだけど、こちらはもう少しドラマがしっかりしている印象がした。

急に母親にならないといけなくなった主人公が、最初のフワフワした心持ちから、ミーガンの暴走によって、姪を守る為に覚悟を決めていく過程が割と丁寧で、ラストにミーガンから離すために心の底から誠意と思いやりをもって説得するシーンはちゃんと感動的だった。
仕事が大変な時に急に子供を育てないといけない状況に追い込まれ、仕事はやりづらいし、姪も懐かない中、一石二鳥の解決策として開発中のミーガンを完成させるのだけど、お互いに「安易な方法で痛みから逃げていては人間的な成長ができない」という大人にとっても子供にとっても真っ当なメッセージを若干の「うるせぇな」という感じも含めてこちらに送ってくるのが面白かった。(よく考えりゃ全然安易じゃないな、、、)

あとラストの彼女と姪の初めての繋がりを象徴する最初に登場したロボを使って攻撃するシーンはかなり熱い展開だった。AIが全部悪い訳じゃないという(雑な)フォローっぽくなっている気もする。

とはいえ、今作のアイドルはもちろんAI人形のミーガンで、彼女のホラークイーンとしての大暴れっぷりが観ていて楽しい。

まず見た目から子守ロボにしては容姿が美人過ぎる感じで、若干高級ラブドールっぽい雰囲気もあるのが絶妙にダメな感じがして良い。
あとこういう作品を見る度に毎度思うけど何故そこまで頑丈に造る必要があるのか。
早く走る時は四足歩行になるのがキモ可愛い。

インパクトのある殺戮描写もしっかりあった。
予告でもお馴染みの独特なダンスをしながら近づいて殺しにくる所とかも笑っちゃうし(ダンスする意味が全くないのも良い)、個人的には隣のおばちゃんをケルヒャーを使って殺すのが、ありそうで無かった面白殺人シーンになっていて、「確かに普通に家にあるけどあれ危ないよね」とどこにでもあるけど使用する合理性が高い。(それにしても水圧高すぎだろとは思う。でもその大雑把さがアメリカのケルヒャーって感じはする。)

ラストのセリフでついにブチギレて「この恩知らずのクソガキが」というのだけど、このセリフを言った時点で唯一残っていた子供の為という使命を完全に放棄して何者でも無くなってしまった感じがして、それ故に無様に殺される感じが観ているこちらの心にも後腐れが無くて良かった。
「ジョジョの奇妙な冒険」でカッコよく見えていた悪役が死ぬ間際に尊厳みたいなモノを失って外道に成り下がってから殺される感じに似ている(分かりにくい例え)。

あとインパクト大な隣の愛犬家のおばちゃんや、めちゃくちゃ性格が悪いとはいえ耳を引きちぎられて車に轢かれて殺された男の子の事とか思うと、ラストのハッピーエンド風の雰囲気で「それで良いのか?」と思ってしまうのだけど、この辺の収拾がつかない後味とか、「マリグナント」とかと通じるプロデューサーのジェームズ・ワンのテイストを結構感じた。

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