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「ダイ・ハート」の感想(ネタバレあり)

Amazonプライム・ビデオオリジナル作品。

何も知らず見たけど「ダイ・ハート」のハートはケヴィン・ハートのハートと観てる途中で気づき、「そういうノリの映画だ!」と納得。

良い意味で何が起こってもどうでも良いコメディ作品になっていて、観ていて非常に安心感があった。
この前に感想で書いた同じくAmazonプライム・ビデオオリジナル作品の「彼女の面影」の様にコミカルなシーンもあるけどちゃんとドラマを描いている作品と違い、今作は終始しょうもないギャグを連発して「どうぞここで笑って下さい!」と、分かりやすくコメディのみで構成されている潔い作り。

主人公ケヴィン・ハートが本人役で演じているのだけど、彼の出演している大作が大体ロック様の隣にいる人映画というのを自虐的に笑わせにくる最初のトーク番組の所で爆笑してしまった。
確かにロック様とよく出ている人というイメージはあるけど、本人が必要以上に卑屈になっている構図がひどい。
そこまで卑屈になっているのを押し殺してまで、ロック様の横で軽妙にピエロをやっていたとするなら、これまでの作品を思い出すだに面白すぎるでしょ。

そんな彼が目指しているのは「自分がアクション映画の主役になる事」で、この点が全くブレない作りになっていて、どのギャグシーンもそこから脱線しない作りになっているのがちゃんと一本のコメディ映画として筋が通っていて良かったと思う。

その土台が整った後はアクション俳優養成塾のジョン・トラボルタが登場し、ひたすらケヴィン・ハートをイジるという構造が繰り返されるのだけど、しっかり笑えた。
ハリウッドを代表するアクション俳優のトム・クルーズ等の名前を出して「あいつはこうだった」という、クソみたいな嘘を渋い顔で話すトラボルタが最高。

ラストは結局全部お芝居でした、というオチになるのが安心感のあるコメディ映画という終わり方だとは思うのだけど、こっちの予想の範疇から出ない感じで、個人的には最後は実際に殺し屋がやってくる、という展開の方が好みだったかなぁと思う。
全てがコントロールされた中で「映画完成して良かったね!」だと凄くこじんまりしたお話しに感じてしまった。

ゲースロでお馴染みナタリー・エマニュエルも終始真面目で面白かった。
彼女とケヴィン・ハートとの関係性がビタイチ進展せず、映画の最後まで「腰に手回すなよ」というシーンが入って好かれず終わっていくのが、観てるこちらのケヴィン・ハートの好感度が上がらない様徹底しているみたいで笑った。

あと途中サプライズゲスト的に入ってくる大スター的な佇まいで登場するのがジョシュ・ハートネットというのが、めちゃくちゃ絶妙に「あぁ、、、」って位置の人でここも爆笑した。
というか実際に死んだ件は誰も触れないのかよ。
でも次の「オッペンハイマー」に出るらしいので、存在感を刻んでいると良いなぁと思う。

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