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「ブラック・ウィドウ」の感想(ネタバレあり)

イオンシネマ京都桂川で鑑賞。
京都ではまさかのイオンシネマ系列のみの公開でかなり観にくい状況。クルエラもそうだったし、次のジャングルクルーズも同じ公開規模だと思われる。
コロナ禍とはいえぼちぼち他の映画館でもやって欲しい。桂川のみに集中してチケットが速攻で売り切れちゃうのが辛い

待望のブラックウィドウ単独作

アベンジャーズの初期メンバーでありながら単独作品がなかったブラックウィドウことナターシャ・ロマノフを主役にした劇場公開作品。

MCU的には2年ぶりの劇場公開作品だけど、今年すでに「ワンダヴィジョン」と「ファルコン&ウィンターソルジャー」と「ロキ」ドラマシリーズが立て続けに配信されていたので、そこまで久々な感じはしなかったけど、やっぱり大きいスクリーンのマーベルファンファーレを観るとテンション上がる。

シビルウォーとインフィニティ・ウォーの間の逃亡期間の話。逃亡中もキャップ側のメンバーはなんとなくチームで動いていた印象だったけど、散り散りに活動していたんだなぁ。

しかしこの時期にナターシャが己の真の敵と自分の最大の罪に向き合い、他のアベンジャーズの手を借りず戦ったというエピソードが加わる事で、エンドゲームでの彼女の自己犠牲の印象がより味わい深くなってくる。

最初の一人でトレーラーハウスで隠居生活をしている描写が結構生々しい生活感があって、初登場のアイアンマン2で見せた記号的な色っぽさや、その後のアベンジャーズを仕切る母親的な顔でもなく、今回は彼女をあくまで一人の生身の人間として描きますよと宣言しているみたいだ。

そんな中、敵であるタスクマスターに襲撃される所からお話が動いていくのだけど、ドッタンバッタンのアクションシーンもたっぷり見せつつ彼女の幼少期からのアベンジャーズになるまでの話や、一番自分の中で罪の意識を感じている敵の親玉の娘を殺してしまった話など、実はMCUの中で匂わすだけだった彼女の生い立ちをしっかり入れ込んだ脚本が何気にとても上手い。
ホークアイとのブダペストの話ってこれかぁと、MCUファンとしてもかゆい所に手が届く感じ。

スパイファミリー

今回の映画はこれまでのMCU作品のなかで、凄いビジュアルを見せてくれたり、アクションシーンの見せ場があるとか、ずば抜けたセンスの画がある作品ではなく、どちらかというと一流俳優同士の名演がみせるコミカルだったり感動的だったりする登場人物の魅力で引っ張っていくタイプの作品だと思う。

特にナターシャも含めたスパイファミリーの面々がとても魅力的。

まずここ最近絶好調の次女のフローレンス・ピューはやっぱりとても良い。近作ではミッドサマーの印象も強いけど、体を張ったアクションシーン、家族全員がチームになって闘う感じはちょっと前のファイティングファミリーを連想した。
あと、姉の決めポーズとか茶化す生意気な妹キャラは若草物語の感じも近い。今後はアベンジャーズに合流して他のメンバーとかも馬鹿にして欲しい。

レッドガーディアンズを演じたデヴィッド・ハーバー。最近はストレンジャーシングスでの悪い人じゃないけど乱暴なパパ役でお馴染みだけど、今回は更に知能指数が低い感じでひたすら可愛い熊さん。娘2人とウザイ父との空気が読めないやりとりはどこの国のお父さんも共感しそうな普遍的な家族ドラマになっている。「ファルコン&ウィンターソルジャー」で色んな国の超人ソルジャーいっぱい出て戦争の道具である事の悲壮感がたっぷりだったのに対し、彼はひたすら楽しそうなのが対照的で面白かった。腕相撲の時に話したキャプテンアメリカというのが誰の事なのか気になるな。(単純に彼のホラ話の可能性もあるが)

レイチェル・ワイズのお母さん役もとても良かった。デヴィッド・ハーバーの乱暴さに対し娘達2人の様にいちいち突っかからず、どうでもよく流している感じ、これもなんか家族としてリアルなバランスで観てて面白い。豚に彼の名前付けて呼吸止めて殺しかけてる所はおぞましさとコミカルさも両方あって良い場面。

しかしレイチェル・ワイズってなんとなく身長高いイメージでスカヨハの変装は無理あるのでは?と思ってたけどスカヨハが160cmでレイチェル・ワイズは168cmなのでまあ靴とちょっと猫背になればバレないかなあ、どうかなぁ、、、。キャプテンアメリカウィンターソルジャーの時も思ったけどあの顔だけ別の人にするヤツ、顔だけでは無理があるのでは?と毎回思っちゃう。

ヴィラン

タスクマスターの正体がドレイコフの娘であるというのは予想は出来るのだけど演じているのが僕の好きなオルガ・キュリレンコだったのは結構テンションが上がった。ダニエル・クレイグ版007の二代目ボンドガールだった彼女を使っているのでも分かる通り明らかに007シリーズを意識した作品になっている。

そして何と言っても今回の真のヴィランのドレイコフの最低最悪具合が凄かった。女性を搾取する最悪の男性像の醜悪さを世界中から集めて具現化した様な存在でMCU映画の中でも最悪の部類に入るクソ野郎だと思う。それだけにもっと苦しんで死んでほしかった。僕はこいつに対して幽遊白書に出てきた奴隷商人痴皇とかを連想したのだけど、あれ位酷い殺し方をしてくれないと個人的にはスッキリしなかった。(もちろん出来ないのは分かって言っています。)

あと良い作品ではあると思うのだけど、ドラマシリーズの「ワンダヴィジョン」や「ロキ」など、クセの強い作品を最近は続けて観た事もあり、正直心に残る様なシーンがあんまりなくて全体的には地味にも感じる。
まあ色んな作品へのブリッジ的な要素も多いので後から振り返るとまた違う見え方になるかもだけど。

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