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詩「いつかどこかで、また」「気配」

「いつかどこかで、また」


会いたい人がいる

サヨナラの代わりに
必ずいつかどこかで会えると
最後に告げた脳裏で
どんな場面を思い描いていたのだろう

二度と会えない場所へ
旅立っていくとわかっていたのに


私が会いたいあの人を忘れ
私自身についても忘れ
私は私ではなく
あの人も違う誰かになって

それでも二人が出会った瞬間

魂の奥のほう
どうしても会いたいという
叶わない願望でこんがらかって
ほどけなくなっていた糸の塊が
ふいにゆるんで泣きそうな私へ

遠い昔さながら
優しい目を細め笑いかけてくれる

そんな気がして


どんなに離れてしまっても
お互いに姿かたちをなくしても

私にはあの人と
同じ想いがある

必ずいつかどこかでまた会える


「気配」

大好きなあなたが
『どんな人がタイプなの?』
と、聞いてきた

『一緒にいると、空気が優しくなる人』

私の恋はいつだって
外見も性格も才能もセンスも
社会的地位も関係なく
空気感
気配ではじまる

何百年前に出会っていても
何千年後に結ばれるとしても

あなたの気配なら
私にはわかる
そういう人を好きになる

気配には
時空を超えた
存在のすべてが表れる

あなたは現実的な思考の持ち主なのに
私のこういう話をふうんと
何気なく受けてくれる

私がどんな奴か
なぜだか知っているようで

だから私は
毎度毎度
めいっぱいのうれしさをこめて笑って見せる

まだ人の知らない異星の地で
突然に出会っても
私だよ、の目印になるように


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