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【映画感想】泣きたい私は猫をかぶる

だれにでも、自分という居場所から逃げ出したくなる時が。

周りから見たら別に幸せに見えることとか、あとから考えたらそうでもないことでも、思春期って、毎日本当に色々なことに悩むものですよね。
無条件に可愛がってもらえるネコになれたら。
そんなことを考えてしまう気持ちはすごく共感できました。

夏を感じさせる描写と、ヨルシカの曲もあいまって、見終わったあとにはなんだかとっても懐かしくてほっこりした気持ちになりました。

逃げ出してからじゃ、もう遅い。

ムゲは大好きな日之出に大っ嫌いだと言われたことで心が折れて、もうネコのままでいいと思ってしまいます。

でも、本当のネコになることで、大好きな日之出の言葉が聞き取れなくなっていくのです。
そしてムゲ以上に必死になってムゲを大事にしてくれるヨリちゃんの存在や、新しい家族に向き合っていないのは自分の方だったということに気づきます。

結局、自分でいる以上、他人の気持ちなんて完全には理解できないし、気づけないことがある中で生きていくしかないんだと思います。
わたしも、日々色々な発言や態度、ふとしたことに傷ついたり心配になったり悲しくなったりします。でも、それでもその負の感情に負けないで強い心を持つこと。そしてその言動の裏にある優しさを探すこと。理解できずに苦しいときにはストレートに相手に向き合って話すこと。
それって実はけっこうな努力がいることだけど、でもそうして生きていきたいなあと思っています。

どんなことでも、一度何かから逃げ出して手放してしまうと、それを取り戻すのって本当に難しいと思います。
例えば信頼。たとえば仕事。たとえば気力。といった具合に。

私も、何かから逃げ出したことがあります。
そのあとに何を学ぶか、どう自分が行動していくか。それが本当に大事なポイントだと思うので、ムゲはこれからですね。笑

大人になると、色々と変わってくる。

社会人になって、色々なことに私はびっくりしています。
学生時代のときは、自然と正直にぶつかり合っていたけど、社会に出ると浮いている人には誰も何も言わないし、思ったことがあっても直接ぶつからずに関わりを避けることで処理します。
些細な感情のずれや、歯車が微妙にかみ合っていなくても、何も顔に出さずにそのままやり過ごします。
みんな目の前の仕事で忙しいから、極力面倒くさいことは避けて通るんです。
それって本当の関係構築なのだろうか?と私は思いながらも、でも私もそれが日々の当たり前になっていくと、知らずのうちに受け入れて、心の中にモヤモヤが溜まっていたりすることもあります。
なので、社会に出てからできた心から信頼できる人は、ほんの数人しかいないです。

私が学生時代にいたサークルでは、飲み会で取っ組み合いになったり、言い合いして泣いたり、ダサい人を素直にみんなでいじったり、そんなコミュニティーでした。
でもだからこそ、みんながストレスなくその場にいられたし、翌日にはきれいさっぱり元通りになっていました。
ついこの間久しぶりに飲み会をして、私は友達と言い合いになり号泣して家に帰りました。
でも翌日には、そこにいた全員から全く気にもしていない様子で昨日は楽しかったね、というラインが来て、言い合った相手とも仲直りし、なんだかそんな翌日のやり取りにすごく感激してしまったのです。

映画の話から、だいぶ話が逸れてしまいました汗。

正直、心が揺さぶられるような衝撃はなかったかなぁ

全部がテンポよく予想どおりに展開されていって物足りないというのはありました。

あと、色々とツッコミどころは多い作品でした。
そもそも、自分のことが好きな異性がネコになって会いに来てて、ネコと知らずに自分は顔すりすりしてたとか、私だったら知った瞬間にドン引きします。。でもあっさり受け入れるなーとか、
あんなに素直になれない性格なのに、ネコ島あたりでは日之出はすっかりムゲにゾッコンになっているし、
あと、きなこもネコに戻りたいと思うの早いなー笑とか、
敵役のはずのお面屋ネコ、弱くね?とか、
ふと冷めてしまう瞬間は何回かありました。。
でもムゲが変身した太郎のネコはめちゃくちゃかわいかったし、伝えたいメッセージはとても分かりやすくてすごく共感できるものだったし、全体的にはとても素敵な作品でした。
私はペンギンハイウェイより好きでした!

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