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面会者の思いと入管収容の実態に迫る【面会者レポート#1】

こんにちは!私たちBONDは、定期的に牛久と品川にある入管収容施設へ行き、被収容者との面会活動を行っています。

そこで、今回から入管問題について面会活動に参加するBONDメンバーの思いや、被収容者の方々の状況・声を発信する『面会者レポート』企画を始動します!

この企画を通して、入管問題に対する関心を高め、理解を深める、さらには問題解決に向けた行動への一歩を踏み出すきっかけになっていただければうれしいです。

また、入管施設の面会活動については、以下の関連記事も是非ご覧ください!

第1弾の書き手は、BOND学生メンバーのKさんです。


◎はじめに -  自己紹介

BOND学生メンバーとして活動している、大学4年生のKです。

私は入管収容施設でウィシュマさんが死亡した事件を知るまで、入管問題、さらには出入国在留管理庁(以下、「入管庁」という)や入管収容施設の存在すら知りませんでした。

入管問題について調べていくうちに、自分にも何かできることはないかと思い、BONDに参加しました。

大学の授業前や長期休業期間を利用して、主に東京出入国在留管理局へ面会に行っています。 現在は卒論執筆真っ最中です!BOND以外では、軽音楽や合唱のサークルで音楽活動に打ち込んでいます!

◎印象に残っている被収容者の方々の話・言葉 

 私が今まで面会した中で、特に印象に残っている被収容者のお話や言葉をあげていきます。

・「入管内で提供される食事がいつも冷めている。」「食事の中に小さな虫が入っていることがよくある。」

・体調不良で施設外での病院の診察を求めるも、職員が認めてくれないため、体調がさらに悪化。施設内にも医師はいるが、その診察は適切でない。

・職員の制圧行為(複数人の職員によって身体を拘束し圧力をかける行為。)により、足を怪我してしまった。

・「何も悪いことをしていないのに、なぜここにいなければいけないのか。外国人差別だ。」

・「いつ出られるかわからない。ここから出ても(仮放免で)働けないからどう生活していけばいいのかわからない。先が見えないのが怖い。」

・「刑期が決まっている刑務所よりもここ(収容施設)はひどい。地獄だ。」

◎入管問題に対する意見・考え

母国に帰ったら命の危険がある、日本で生まれ育ち家族も日本に住んでいるが在留資格がない…

入管庁が"送還忌避者"と呼び、施設に収容される人々の中には、このような母国に帰りたくても帰れない事情や背景を抱えている方がいます。

そのような事情を抱える彼らは、当然、日本で在留することを認められるものだと思っているわけなので、「なぜ自分が今収容されているかわからない」とよく口にしています。

入管庁だけでなく第三者機関も含めて審査を行い、各人の事情や背景を考慮した上で、与えるべき事情を抱えた人々に、在留資格や難民認定を与えるよう、制度を根本から変えるべきです。

また、施設内で適切な医療が受けられない、精神的な苦痛に耐えられないなどの理由で命を落とした人は、2007年以降で17人もいます。

2022年11月4日には、国連の人権に関する委員会が「施設内の医療状態が劣悪だという憂慮すべき報告がある」と懸念を示し、施設内の対応の改善を図るよう勧告しました。

被収容者の命と健康を害してまで収容する理由は何なのでしょうか。これ以上被収容者を苦しめないでください。被収容者の命と健康を最優先にした適切な医療体制を求めます。 

◎おわりに - 読者へのメッセージ

母国から命からがら逃げてきたにもかかわらず、あまりにも高い認定のハードルによって難民認定されず入管に長期収容されてしまう。

生活の基盤が日本にあり、家族も日本に住んでいるにもかかわらず、在留資格がもらえない。

仮放免になって、一時的に収容を解かれたとしても在留資格がないために働けない、にもかかわらず健康保険に入れないために高額な医療費を負担しなければならないという板挟み状態。

収容により家族と離れ離れになり、収容中は施設の外へ一歩も出ることができない。

入管によってこうした状況に置かれ、生きづらさ・苦しさを感じている人たちがこの日本社会にはいます。

「自分には関係ない」、「どうせ変わらない」と見て見ぬふりをしていいのでしょうか。

「誰かの人権が守られない社会では、実は誰も人間扱いされない」(駒井千絵弁護士の言葉)

入管による外国人差別、人権侵害は、この日本社会で実際に起きている問題です。

当事者だけでなく、同じ社会を生きる私たち一人一人も入管問題の解決に向けた声を上げるべきです。

声を上げ続けることで少しずつでも状況は変わります。実際に、2021年5月、入管法改悪案は反対の声の高まりにより、廃案となりました。

入管問題に関するニュースを見る、本を読む、当事者の方々の声を聞く、デモに参加するなど…私たちにできることはたくさんあります。

入管問題について知り、考え、当事者と連帯して共に声をあげましょう!!

◎参考資料

・東京新聞「仮放免取り消し、東京入管で自殺 イタリア人男性 国連から『改善』勧告受けたばかり」(2022年11月19日)

・NHK「国連 日本政府に“入管施設内の対応改善を” 勧告」(2022年11月4日)


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