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入管収容施設での面会活動

こんにちは!
私たち、「BOND~外国人労働者・難民とともに歩む会~」では、学生・社会人のボランティアメンバーが、主に東京出入国在留管理局(東京入管)において被収容者の方々との面会活動を行っています。
今回は、BONDの活動に興味を持っていただいた方なら一度は思い浮かぶであろう「入管に面会に行くってどんな感じ?」という疑問に お答えすべく、最近面会をはじめた学生メンバーから、はじめて面会活動に参加したメンバーの経験を共有させていただきます!

1.品川入管までの道のり

最近はニュースでも取り上げられるようになった「入管収容施設」、どこか遠い世界のことのように思っていませんか?実は、品川入管は東京23区民の皆さんの驚くほど身近なところにあります。
最寄り駅は、オフィスビルや商業施設がひしめくJR品川駅です。面会は平日のみ実施されているので(午前・午後それぞれ3時間ずつ)、面会受付開始の09:00に合わせて品川入管に行こうとすると通勤ラッシュと重なります。人々のありふれた日常のすぐそばに、(職員による暴行問題などが報道され、社会問題となっている)入管施設があるのかと思うと、少し信じられない気持ちになります。
品川入管は品川駅からバスで10分程離れたところにあります。品川駅港南口を出て、「東京出入国在留管理局」行きのバスに乗車します。バスに乗るとたいてい多くの方々がいるので、「この人たちも面会に行くのだろうか?」などと考えながらバスに揺られています。

2.入管近辺及び内部の様子

「東京出入国在留管理局前」でバスを降りてすぐ目の前に高いビルが東京入管です。面会する人が利用する入り口は、メインの大きな入り口とは別にあります(バスの同乗者はほとんどメインの入り口に入っていくので注意)。メインの入り口の少し左手を見ると、面会者向けの小さい案内表示がありますので、それに従ってビルの中に入ります。(ちなみに、メインの入り口から入ると中には何があるかというと、在留資格の更新や就労資格の手続き等を行う窓口がたくさんあります。面会の入り口しか使っていないと見落としてしまいますが、こうした在留外国人の管理に関する手続きを行うのも入管の仕事です。)

面会の入り口からビルに入ると、(コロナ禍ですので)検温及び手指消毒ののち、待合室に通されます。そこで専用の用紙に面会したい被収容者名などの必要項目を記入し、受付にいる入管職員に身分証とともに提出します。この待合室では、同じような支援団体の方や、被収容者の親族の方などとお会いすることもあります。

提出した用紙及び身分証の確認が終わり、面会を申し込んだ被収容者が入管施設内にいる確認が取れると、受付左手にあるエレベーターで面会室のある7階に上がるよう指示されます。7階に上がるとまた受付があり、そこで受付を済ませるとロッカーの鍵と面会室の鍵を渡されます。ノートやメモ以外の不要な荷物はロッカーに預けて(携帯電話等電子機器は面会室に持ち込めません)、金属探知機を通過すると、やっと面会室が並んだ廊下にたどり着きます。

面会室の中では、アクリル板越しに面会に来た人と被収容者の方と会話できるようになっていて、両側に椅子が2つずつあります。面会に来た人はアクリル板の先には行けないので、収容者の方の居室がどうなっているか確認することはできません。面会室で待っていると、職員に呼ばれた被収容者の方がいらっしゃいます。ちなみに、待合室に入ってから被収容者に会うまでの間に、30分くらい待たされています(面会に多くの人が来ている場合はさらに伸びます)。

こんなに待たされても被収容者の方とお話しできるのは最大30分です。時間になると職員が面会終了の旨を知らせに来るので、被収容者に別れを告げて面会室を出ます。預けた荷物をロッカーから回収し、エレベーターで待合室に戻ります。2回目以降の面会を希望する場合、専用の用紙の記入からやり直すことになります。しかし、待ち時間も含めると、1回の面会に最低1時間はかかるので、午前・午後それぞれ3回(計6回)が限界です。また、冒頭でも触れたとおり、面会ができるのは平日のみなので、時間に余裕のある大学生であっても、学期中は面会活動に行いづらいのが現実です。

面会を終えたら、またバスに乗って品川駅にもどります。品川駅前に着くと、そこには被収容者の日常とは全く異なる日常が待っています。恐らく品川駅を行き交う人々の大半が近くに外国人の収容施設があることを知らないのだと思うと、考えさせられるものがありました。

3.面会をして感じたこと

私の場合、自宅から入管までの所要時間は往復3時間かかりますし、日によっては面会時間よりも待ち時間の方が長いこともあるので、「こんなに時間を使ってもこれっぽっちしか被収容者と会話できないのか…」とがっかりしてしまう気持ちはぬぐえません。

しかし、他に面会に来る人がその日にいなかったとしたら、被収容者は自分と会話した30分を除いて収容エリアから出ることができなかったのだと考えると、例え30分であっても有意義なものだったのではないかと思うと同時に、被収容者が入管の外に出てより多くの自由と権利を被収容者の方々が手にできるように、BONDの活動をより頑張らねばならないという意を新たにしました。

入管の収容施設のなかでは今も多くの問題をが起こっています。しかし、まだ知られていないというのが現状です。多くの方が関心を寄せ、面会にも参加してほしいと思います。

いかがでしたでしょうか?

面会活動にご関心のある方は、お気軽にご連絡ください!