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【絵画作文展報告】 3日間で200人が来場!「線引き」なく一日も早い在留特別許可を


3日間で200人が来場!「線引き」なく一日も早い在留特別許可を

未成年の仮放免者の子どもたちの絵画や作文の展示会を、昨年に引き続き開催しました。(主催:入管を変える!弁護士ネットワーク(通称「変えるネット」)、共催:BOND)

仮放免の子どもたちの絵画作文展は、2020年に始まりました。昨年には8月の東京・日比谷ほか、仙台、大阪、千葉、高知、埼玉、東京・渋谷と、各地で開催され、絵や作文を通して仮放免の子どもたちの想いを多くの人に知ってもらうことことを目的に開催しました。

今年は11月18日から20日までの3日間、幅広い年代の方が計200名来場されました。多くの方が真剣に作品を観てくださり、心より感謝いたします。展示会に出品された作品には、仮放免の子どもたちの様々な想いが込められています。日本で育ったにもかかわらず、在留資格がなく、困難な状況に追い込まれている子どもたちの苦悩や、そんな中でも一生懸命に見出そうとする希望が、絵や文章に表現されています。

今年の成立した改悪入管法改悪法の審議過程の中で、政府・与党は、入管法改悪法案を通すための条件として、野党に対し、「在留資格のない未成年者に在留特別許可を与える」という条件を提示しました。政府は、改悪入管法の付帯決議として未成年の仮放免者への在留資格付与を約束し、8月には出入国在留管理庁は、「送還忌避者のうち本邦で出生した子どもの在留特別許可に関する対応方針について」を発表しました。

しかし、その手続の進捗は未だに不透明で、今日このときも、希望と不安を胸に在留特別許可を待ち続けている家族が少なくありません。また、同方針に示された「対象者」からは、「本邦で出生」していない子どもたち、18歳を超え「子ども」でなくなってしまった人たち、また、親に看過し難い消極要件(非正規入国など)がある場合は原則として除外されています。

未成年の仮放免者とその家族の抱える困難は、送還しか考えない入管が、「送還一本やり方針」のもとで彼らを放置してきた結果としてあります。それを「親が帰るなら子どもには在留を認める」「帰らない親が悪い」と責任転嫁することはあり得ません。子どもの権利条約からも著しく逸脱する考え方であり、絶対に許されません。本来、人道上、即時に、無条件に行うべきことです。

◾️ 来場者の方から寄せられた感想

当日来場された皆さんからたくさんの感想コメントが寄せられました。一部を抜粋して紹介させていただきます。

Aさん
働くことができない、県外に出られないということは当事者ではなく自由に生きられる私たちが頑張らないと状況は変わらないと思います。また影響力のあるメディアが積極的にこの問題を取り上げていくこともとても大切なことだと感じました。このような素晴らしい企画をありがとうございました。壁は厚いですが、共に頑張っていきましょう。

Bさん
新聞の記事で、父親や母親と別れなくてはいけないなどということを目にし、子どもが安心して暮らせない国にいることが恥ずかしく悲しいと感じた。どうか皆の願いが叶いますように。

Cさん
東京新聞を読んで、見学に来ました。日本で生まれ育ちながら在留資格のない子どもたちの「ゆめ」が痛いほど伝わってきました。子どもたちのゆめが少しでも叶えられるよう祈っています。世界のあちこちであまりにも非人道的な行為が多発していることに、ただ嘆くだけの自分自身の力のなさにも情けなく思わざるを得ません。日本は国も国民も、もう少し平和に関する積極的な発言と行動をできるようになるべきだと感じています。

Dさん
今まで大人の難民のことは記事を見たり話を聞いたりする中で理解していましたが、子どもたちの存在に関してはよく知りませんでした。子どもたちによる作文や絵画を通し、現実の厳しさの一部分がわかりました。難民問題は随分と昔からあったことなのに、日本政府は何と煮え切らない態度なのだろう、根本的に方針を決めるべきだ、と感じました。

Eさん
いったい日本政府は何を考えているのでしょう。どうしてすぐに在留資格を与えないのか、疑問に思います。外国から来た人々に対して日本語教育も十分でないのは、ひどいことです。子どもたちが一刻も早く日本で暮らせるようにしてほしいです。

◾️ BONDメンバーからの感想

当イベントの開催前より、新聞やテレビ等のメディアにおける宣伝がされたこともあってか、来場者の方から「テレビで見ました」等のお声がけをいただきました。メディアの影響力を改めて実感するとともに、このように当イベントが取り上げられたのは、私達の活動が実を結んだ証左であると喜びを噛み締めております。

展示をご覧になった方々からは、「こんな目に遭っている子どもが居るなんて信じられない」といった声のほか、「自分にできることはないか」といった旨の声が多く挙がりました。入管問題を知っていただくのみならず、その解決に向けた取り組みについて思いを寄せていただいたという点において、当イベントは大変意義のあるものであったと感じております。

イベントを通して仮放免の子どもたちと家族の抱える問題について知ってもらうきっかけの一助に放ったのではないかと思いますが、イベントを一過性ものにしてはならないと強く感じました。当事者の皆さんの抱える問題を解決するために一日も早い在留特別許可の付与を引き続き求めていきます。

◾️ BONDではメンバーを募集しています

BONDでは、ボランティアの募集を受け付けています。春と秋に説明会を実施していますので、ご興味のある方はぜひご応募ください。

◾️ 当日の展示会場の様子(写真)