見出し画像

朝ギリギリまで寝ていたのは、なにもない人生へのささやかな復讐だったのかもしれない話

去年の4月から突然のリモートワークが始まってからというものの、宣言の解除で一時的に出社する期間を挟んでは、在宅へ戻る日々を何度か繰り返していましたが。
ここ数ヶ月は、一度も会社に行かない完全リモートワークで仕事ができています。

そのおかげで、寝坊とは無縁の生活を送れているわけなのですが。

何を隠そう私は社会人になってから10年。
これまで朝寝坊しなかった日はほぼ無かったといえるぐらいの、重度の寝坊魔でした。

そんなんでよく社会人やってこれたな、と言われれば何も言い返せないのですが。
一応の弁明としては「遅刻はなるべくしないよう、ギリギリ遅刻しないで間に合う電車に乗る為に全力疾走をする」ことで、なんとか遅刻せずに毎日を乗り切っていました。

ちなみに会社に出社していた頃のヤバイルーティンはこちらです。

前日 2時
・やっと就寝
8時 起床時間 【予定なら】起きる時間
・目覚まし鳴るが、止めて二度寝
8時10分 【予定なら】朝シャンする時間
・2度目の目覚ましを止めて三度寝
8時30分 【予定なら】髪乾かしたり化粧する時間
・3度目の目覚まし止めて、もぞもぞスマホを取り出してTwitterを眺める
8時40分 【予定なら】軽い朝ごはん食べる時
・まとめサイトを眺める
8時50分 【予定なら】色々支度する時間
・四度寝
9時 【予定なら】家を出てる時間
・やっと起きて朝シャン
9時10分 【予定なら】いま家を出ればまだ歩いても駅に間に合う時間
・朝シャン終わり2分で髪乾かして、最速で化粧をして、掴んだ服に着替える
9時22分 【予定なら】電車に乗っている時間
・遅刻しない最後の電車に間に合うギリギリの時間なので、家を飛び出て全力疾走しで駅に向かう


.....われながら終わってるモーニングルーティンで泣きたくなってきました。

10分で朝シャンして2分で乾かして最速で化粧って、これ本当に女子の朝なんですかね。
当たり前のように朝ごはんは食べないし、そもそも2分じゃ絶対に髪乾いて無いですよね。

いちおう二度寝ぐらいしてしまう分には余裕あるスケジュールなのですが、まさかの四度寝。
さらに20分ぐらいスマホを眺めている時間が入っているせいで、より時間を圧迫しています。



ただ今になって思えばこの布団の中でグダグダして過ごすだけの一見無駄に感じられるような時間は、当時の私にとってはもっとも大事な時間だったのだと感じます。


リモートに入る前の私は、毎日毎日、自分の真にやりたいことが何一つできていないことを自覚しながらも惰性で会社に行き。
すっかり日が落ちた空を仰ぎながら帰る頃には疲れ果て何もできないままダラダラと夜中まで起きまた同じ朝を迎える生活を繰り返していました。

そんな日々に嫌気がさしながらも、毎朝ギリギリまで寝ていたのは、今思うと私なりの叛逆でした。

社会の歯車にはめられて、上手くいかない人生に唯一反抗できる時間。

そう、起きなければいけない時間まで布団に入っているのは、私なりの「何もない人生へのささやかな復讐」だったのかもしれません。



一方リモートワークが始まってからは、出勤時間がなくなった影響で自分の時間を持てるようになり、さらには生活意識の改善が起きたように感じます。

その証拠に、最近ではあんなに起きられなかった朝の8時よりも、なんともっと前に起きられているのです。

しかも二度寝もせず。
朝シャンを浴びたあとは、軽くスクワットなどの運動をして、部屋やキッチンの掃除をした後に勉強などをしながら、豆から挽いたコーヒーとパンを食べ、始業時間10分前にはPCを開く......。
とても同じ人間とは思えない、文化的な生活をおくれています。


こんなに穏やかで満たされた生活を送ってしまっては、もうリモートワーク前のあの頃には戻れない予感がしますが。

しかし10月から非常事態宣言が解除されてしまうので、近いうちにまたフルタイムで会社に通う日々に戻ってしまうかもしれません。

出来ることなら、のんびりと家で仕事をする日々をこのまま維持して行きたいですが、それも夢のまた夢。

もしその時が来ても、人生へのささやかな復讐をしなくてもいいように。この生活と内面を保てるような工夫を今のうちに探していきたいですね。


南極珈琲

この記事が参加している募集

スキしてみて

リモートワークの日常

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?