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苦肉の策とは?

皆様、おはようございます。

今回は日本人が間違って使っているランキング1位(当社比)の苦肉の策に関する話題です。

苦肉の策を「苦し紛れに生み出した手段・方策」と言う苦渋の決断と同じような意味で使っている人がいますが、全く違って、苦肉の策の本当の意味は「人を騙すために自傷(または他人が想像できない行為)をすること」です。結果は"騙す"です。

この言葉は兵法三十六計の敗戦計における苦肉計がもとになっています。

自分で自分に顔面パンチして骨折するとか普通あり得ないですよね。誰かに殴られたんだろうって考えるのが当たり前ですよね。この当たり前に付け込むのが苦肉計です。被害者に対する同調心理を利用した計略とも言えます。幅広く見るともっと範疇が広くなってしまうので、今回は割愛します。

特に苦肉計と言わず苦肉の策と言った場合は『三国志演義』に登場する武将"黄蓋(黄公覆)"が行った策を意味することが多いです。

実際にどう言った策だったのか、簡単に物語にして説明します(一部勝手に脚色しています)。

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なんか変な黄蓋の『苦肉の策』

昔々、今から1800年以上前、中華には孫権と言う君主がおり、黄蓋という忠誠心の塊みたいな優秀な武将が仕えていました。

ある時、孫権は仲の悪い君主曹操との間で大規模な戦争をすることになりました。孫権率いる全軍をもってしても曹操率いる大軍にはかないません。他の仲の良い君主と連合して、あらゆる奇策を練るなどした結果、重要な局面で誰かが曹操軍の船団に火をつける必要がありましたが、曹操の大軍の前ではそう簡単にできることではありません。

黄蓋とイケメン鬼才最高司令官周瑜は話し合いました。この時、陰では曹操のスパイが覗いており、盗み聴きしていました。

話し合いはヒートアップして行きました。

黄蓋「周瑜、お前鬼才やなかったんかい、ボ〇!お前みたいなア〇は〇んでもうたらええねん!」

周瑜「誰に向かって言ってんねん!お前、許さん!兵が見てる目の前で鞭打ち刑にしたるわ!〇ねア〇!」

黄蓋は兵たちが見ている前で、ボコボコにされました。

黄蓋は言いました。

黄蓋「俺は三代仕えてきたけどもう愛想尽きたわ!」

そして、黄蓋は陰でぼそぼそぼやくようになりました。

黄蓋「曹操のとこに寝返ろっかな・・・。」

曹操のスパイは、曹操に連絡しました。

スパイ「黄蓋むっちゃどつかれてて、曹操のとこに寝返りたいとか言ってたで。」

曹操は黄蓋に連絡しました。

曹操「俺の仲間にならん?給料弾むで~!ウェルカムウェルカム、ウェルカムトゥーザジャングル!」

黄蓋「イクイク~!イクチオステガ!」

黄蓋は曹操の陣営に寝返ってしまいました。

戦争が勃発しました。

孫権軍は重要な局面で曹操軍の船団に火をつけるのに苦労していました。

孫権「この陣形、風向きやと少し火がつくだけでも敵は壊滅や!第二大隊突撃や!おえぇぇぇ!(船酔い)」

曹操「このア〇ぉ!俺の精強な大軍を突破できると思うてんのか!おえぇぇぇ!(船酔い)」

そのとき、曹操軍の船団から火の手が上がりました。

黄蓋「三代仕えた俺が寝返ると思ったんか?このア〇ッ!おえぇぇぇ!(船酔い)」

見る見るうちに曹操率いる大軍は火に呑まれ、最後には撤退して行きました。

黄蓋は主君のために身体を犠牲にし、敵も味方も騙し、味方を勝利に導いたのでした。

(追記:黄蓋は鞭打ち刑で重傷にはなりましたがこの戦いでは死んでいません。生還しています。)

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黄蓋ってすごいですね。敵どころか味方からも殺されるかもしれないのに・・・張任と並ぶ三国時代の忠臣ですね。

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