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短歌を投稿していた頃の話。

日本海テレビ、の短歌コーナーの選をお手伝いすることになりました。実は日本海テレビ、の隣のスイミングスクールに通っていました、鳥取市出身の若手歌人です。日本海沿岸の、特に山陰地方にお住いの皆様、よろしくお願いいたします。

テーマは「新しい生活様式」。投稿にはアプリが必要です。入選作はテレビでも放送されるらしいので、奮ってご参加ください。

短歌の選、「たかまがはら」呼んでいただいた時以来ですね。以下、これを機に投稿のアドバイスとか纏めようとしたけど、ケースバイケースすぎてあまり一般的なこと言えないや、と思って一週間ほど放っておいたやつをそのまま公開します。後半はただの昔話です。実践的なのは東直子先生の公募ガイドの連載とかそういうの読んでください。

・句ごとに一文字空けない

これは歌会の詠草とかでもよく言われますね。いわゆる初学者がやりがちなミス、みたいな風に取られることも多いんですけど、個人的には単純に「制作の上で句跨りができなくなるから」って説明しています。
とにかく最初のうちは句に合わせて切りなさい、みたいな指導もあるらしいですけど、信仰の話なので好きにすれば良いです。
応募作の扱いですが、運営によっては勝手に詰められる場合も勝手に開けられる場合もありますので何とも言えませんね。

・なるべく破調をしない

こちらについても信仰の問題ですね。選者のタイプを見極めて投稿しましょう。本人がよく破調してるからって人の作品の破調に甘いとは限りません。場合によっては勝手に直されたり、口語で出したら文語にされたり、みたいなケースもあるのですが、文句を言っても仕方ないのであきらめましょう。改作云々の条項が募集要項に乗ってなかったとしても、それを盾に運営を詰めたりしないでください。誰も幸せにならないので……

・出す前にググろう

これは別に短歌に限らずですね。ご本人に盗作のつもりがなくても、同案で先行作があったら落とされます。ツイッターで見たことあるような奴は大体はずす……例の、コロナという文字を組み合わせると君という漢字になったりするやつですね。ちなみにフォトコンテストの画像だって検索かけてんだよ。

・折角なら楽しんで応募しよう

投稿、楽しいですよね。選ばれるとうれしいし、色々もらえたりするし。私も中高生の頃は公募ガイドとかみてましたし、角川の公募館にもしばらく投稿してました。単発じゃない雑誌や新聞の投稿欄は、当落に一喜一憂するよりも、とにかく毎回出して傾向と対策をつかんでいくほうが打率は上がります。投稿歌で打率とか言ってる中学生、今思うと本当むかつきますね。八割載るようになったら結社探そう、とか考えてました(本当むかつきますね)
当時はまだ歌会や結社にアクセスするのが難しくて、(インターネットはあったけど…mixiとかあったけど…)周囲に同好の人間がいない状況でした。同志も先生もいなくて、投稿欄が唯一、自分の作品を人に読んでもえる場所だったんですね。岡井隆に採られた歌、今でも覚えているわ。
自作を読まれるのは(中学生の自意識的に)嫌だけど、それでも新聞や雑誌に載ったら褒めてもらいたくて、学校の先生に見せに行ったりしていました。結社や学生短歌に所属する前の、あれはあれでよい経験だったのだと思います。

いつの間にか文化事業の仕事をするようになって、某短歌コンテストの下読みで延々相聞歌を読み続けるとか、某フォトコンテストの受付事務で延々エロい形のダイコンの写真を仕分け続けるとか、楽しかったはずの記憶はすっかり虚無に覆われてしまいました。世界にはエッセンシャルでもないブルシットな業務が色々あって、それが文化的な豊かさを支えていると信じています。

みなさまの投稿お待ちしています。


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