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作品

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吉田恭大(1989〜)の短歌。出したり引っ込めたりします。
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2017年9月の記事一覧

地名のある20首

地名のある20首

ひとごとでいいよ遠くに鉄橋を越える電車のあれは千葉行き

丸ノ内線に光が射すたびに意識の上では目を覚ますけど

ともだちの部屋から見えるともだちの東京に伸びゆく電波塔

池袋にも寄席がある。二人して暇なので落語家を見に行く

老人は赤いものだと知りながら巣鴨の先をゆく西巣鴨

人をみな袋綴じれば新目白通りに灰はひしひしと降る

カキフライかがやく方を持ち上げて始発、東西線に

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