吐け口になることとは

あまり周りに弱い姿を見せないからか、昔から人の愚痴や弱音を聞くことが多い。大変迷惑な話である。
愚痴と弱音はどちらもマイナスな感情のエネルギーが言葉として現れたものだと思う。また愚痴は怒りが、弱音は悲しみが主導力となっているようにも感じられる。
この場合、聞く立場として楽なのは愚痴の方ではないかと思う。相手が求めているのは自分の発言を聞いてほしいだけであるから、「へー」「そーなんだー」で十分満足されるためである。

しかし弱音はそういかない。相手が求めているものが「受容」であるためである。裏に透けて見える相手が求めている言葉を与えないと、怒ったり泣いたり勝手に敵と認識されたりするためである。このとき自分の精神が削り落ちていく気がする。そしてその求めている言葉とは「あなたはそのままで大丈夫」「私はあなたの理解者だからいつでも助けてを求めてもいいんだよ」というようなものばかりで、これが結構精神的な負担になる。永遠に精神的奴隷にさせられる可能性があるし、何より「あなたばかりずるい」という気持ちが湧き上がってしまう。

自分が弱音を吐けないからこそ、簡単に「私なんて……」とこぼす人間に腹が立つ。自分が弱みを出せるだけの人間関係を築けていないことに問題があるのだが。


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