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#3 心の闇、言わないのだ。でも。無いとも違うのだ。

大学の学費は出して貰えるのが当然らしいのだ

この手の話や、類似で「〇〇大学なら出して貰えるからそこしか行けなかった」等がよく視界に入ってしまうのだ。

何止イさんは高校生になる頃には既に金銭的援助の期待なんて持っていなかったのだ。

大学どころか高校生活すら奨学金を受けなければならない状況だったのだ。

周囲に進学する人間も居なければ親もそんな知識はない、何止イさんには大学というもののビジョンが無かったのだ。漠然とお金がかかる、無理。程度にしか。

以前何止イさんは中学受験の時、既に一度進学を金銭的理由で諦めていたのだ。成績は十分だったのだ。無かったのはお金なのだ。

お金が無いという話はずっと聞かされ続けていたのだ。毎日のように……。

影響「お金が無いと聞かされ続けたならば」

それは何止イさんの将来のイメージを希薄化させ、消滅させていく呪詛の役割をよく果たしたのだ。

そして今も果たしているのだ。何止イさんは好きな物が無くなってしまったのだ。

「好きな仕事を選んで高い生産性の時代が来る!」

このようなフレーズすら、もはや困惑してしまうのだ。好きな物がない……。

色んな人がなんらかの好きな物を持っているのだ。萌えーとか推しーとか羨ましいと感じるのだ。それが生み出すエネルギーにただただ憧れだけを持っているのだ。

他の人のどんな好きでも、何止イさんは羨ましいし尊いと感じるのだ。

「人をバカにしなさそう」

このように友人に言われた経験があるのだ。

羨ましいし、楽しそうな人を見ると楽しくなるのだ。好きを否定する場合は他人に攻撃的ぐらいなのだ。

でも、これらはもう過ぎ去った事なのだ

長々と書いたのだけれど、普段こんな事は人に言わないのだ。

何止イさん自身も仕方がない事と考えているのだ。普段は。

でも目の前で親学費当然のような話が入ってしまうと、普段抑え込んでいる暗い気持ちが湧いてしまうのだ。

この怨念状の気持ちを抱えていると、この世が酷くどうでもよくなるのだ。

そうなると、お薬が必要なのだ……。

お薬を飲めば元の仕方ない事、と割り切った自分に戻るのだ。

でも表面上の強い感情は消えても、内面の虚無は怨念が消えるまでずっと残ってしまうようなのだ。

だから何止イさんは好きの色褪せた酷くどうでもよい世界のフレンズなのだ。虚無。

酷く歪だけど、治らないのだ。

夢は尊いのだ

何止イさんは他のフレンズが動いているのを見るのが好きなのだ。

それが心地よい感情で満ちているなら、自分も暖かい気持ちになるのだ。

だから誰かと居たいのだ。そしてどこかへ連れて行って欲しい……。

自分自身はどうでもいいの闇から出られないから、誰かの夢を見たいのだ。

でもそんなことはないだろうから……せめて誰かの夢を応援するのだ。

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