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【衣装の道のり】ミシン&手縫いで馬乗り袴作ってみた。

こんにちは。お久しぶりです。何色何番のたかつかなです。
今回のnoteは【衣装の道のり】シリーズ。
外注の衣装のお仕事で【馬乗り袴】を初めて作ったのでその記録です。作り方はいろんなWEBサイトに載っているので、実際に作ってみてわかることを記録しておくことが目的です。誰かの役に立ちますように。

「馬乗り袴って何?」

そもそも「馬乗り袴って何?」となるかもしれないので説明しておきます。袴には大きく分けて2種類ありまして、スカート型の【行燈袴】(町人用)とパンツ型の【馬乗り袴】(武士用)があります。
現代では卒業式などの袴には行燈袴(女袴と呼ばれる)、弓道などのスポーツには馬乗り袴を使用するようです。
先ほど町人用/武士用と書きましたが、本来は男女で分けたのではなく、使用する用途によって分けられたようです。見た目はそこまで違いがありませんが、立ったり座ったりするときに動きやすさが違いました。
演劇用には馬乗り袴が動きやすくて良いですね。そしてメンテナンスしやすいように、シワができにくい・洗濯できる布地で作ります。
というわけで、今回は弓道用の馬乗り袴を見本にして作りました。

ヒダの折り方は紙で見本を作ってみると分かり易い。

まず、袴のヒダって織り方がややこしいんですよ。なので、A4サイズの紙を折って、ヒダの見本を作りました。そうすることによって自分で「なるほど、こうなってるのか」とわかりやすいのでお勧めです。
写真の折見本は、4サイズの紙を横にして、左右1枚ずつ使い、折って合わせています。
ヒダの数もまた色々あるみたいなんですが、弓道用の袴は前ヒダは左右3つずつ、後ろヒダは1つでした。
めんどくさいですが、ヒダもしつけ縫いした方が断然縫いやすい&きれいに仕上がります。

目に見える方・山折りのヒダは基本的にまっすぐ取ります。そして見えない方・谷折りのヒダを斜めに取ることで、Aラインに広がるシルエットを作ります。そのため、足元のラインをなるべくまっすぐに揃えると、ウエストはガタガタになります。が、これはウエストの紐の中に隠れる部分なので気にしなくて大丈夫です。
流れで言うと、
①裾に欲しい幅でヒダの山折り谷折りを作る
②一旦アイロン掛ける
③山折りをしつけ縫いをする
④谷折りをウエストの幅に寄せて調整する(私は1~2センチずつ縮めました)
⑤足元ラインをある程度揃える
⑥一旦アイロン掛ける→谷折りをしつけ縫いする
⑦全体のシルエットを確認する
⑧ミシンで本縫い
⑨アイロンがけ
⑩ウエストのラインをしつけ縫い
⑪ウエストをミシン縫いする
という流れです。
果てしないように見えるけど、マメにアイロンがけ&しつけ縫いすることが、遠回りに見えて実は一番の近道かもしれません。
普段はここまでやらないめんどくさがりな私ですが、今回は丁寧にがんばりました!
(布地が高かったので失敗したくなかったというのもある笑)

約4メートルの手縫いにはご褒美が必須!

ウエストの紐部分は強度を増したいので、接着芯をアイロンで付けました。が、
・伸縮性のある布地だった
・袋縫いする紐の片側だけに接着芯をつけてしまった
この2点のせいで、ミシンで縫うとヨレる部分が出来てしまいました……。
縫い合わせる布同士の伸び方が違うからですね。はい、失敗。
かといって両方に接着芯をつけると分厚くなって紐が結びにくいかなあ、と思ったので、ここはミシン縫いをあきらめて手縫いで行くことにしました。

拾い縫い4メートルはほんと根気が必要でした。しつけ縫いは本縫いした後に糸を解くので適当に手縫い出来ますが、これは本縫いになるので綺麗に丁寧縫って丈夫にしたい部分です。普段はこんなに丁寧な手縫いをしないので、体もバキバキになりました。
モチベーションのためのご褒美おやつ類は必須です!

前身頃には紐の間に入れ込んで縫います。
ここでも、めんどくさいけどしつけ縫いは重要です。

後ろの腰板、個々は地味に大変でした。中に分厚い芯を入れるので、縫うのが大変!指に穴が開く!!
なので正規の縫い方じゃないだろうな~と思いつつ、見た目が変じゃなければいいやと開き直って結構適当です。
もっと歴史とか深く掘り下げていくと、台形の下半分にある三角部分のある意味とか分かるんやろか……?

完成!

約1週間かけて縫いあげました!布探し等から考えると1ヶ月半ど経ってます。
身長約180㎝、腰回り約92㎝のモデルに履いてもらいました。
(さすがにフリースジャンパーの上から履くとちょっとパツパツですね)

今回、衣装探ししている中で良い色味・メンテナンスしやすい生地のものがなく、一念発起して製作してみましたが、ほんと大変でした。
昔の人はミシンなしでこれ作ってたんかと思うとほんと尊敬します……。


以上、馬乗り袴を作ってみた記録でした!
たかつかな

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