小川未明『青い石とメダル』読書感想文(たかつかな)
私は3年ほど前から柴犬と共に暮らしている。迷い犬だったところを保護されて、動物愛護センターから引き取った、約10歳のシニア犬だ。そのせいか、「犬ころしに見つかったら殺されてしまうかもしれない宿無しの犬」という文章を読んだだけで喉の奥がきゅううとなった。この物語の中に我が家に来る前の犬が居るかもしれない、と思ってしまったのだ。
次回公演の戯曲『留守』を書いた岸田國士さんと同時代を生きた作者小川未明さんの本を幾つか読んでみた。
そのうちの一つ『青い石とメダル』は、まだ野犬の