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最低賃金の引き上げは格差是正というより、成長戦略なのではないかな。

今朝の新聞に各政党の公約が一覧にまとめてあったので見てみました、リベラルな政党が、分配(格差是正)の文脈で「最低賃金を1500円に」と公約を掲げている事に違和感を感じました。

賃金は生み出す価値によって決まると言うのが一般的です。生み出す価値と賃金の関係は以下の2パターンが考えられます。

・労働者が生み出す価値が賃金を上回っている場合
・労働者が生み出す価値が賃金とつり合っている場合

公約通り、最低賃金が1500円になるとどうなるのかそれぞれのパターンで考えてみます。

前者の場合、労働者が時間当たり1500円以上の価値を生み出していれば、雇用するメリットがあるため雇用は守られます。

逆に後者の場合、労働者が時間当たり1500円以上の価値を生み出していなければ、その人を雇用し続けると企業が市場から撤退しなくてはならないため雇用は無くなります。

現在、最低賃金は821円が全国で最も低いのですが、その労働者の賃金を1500円まで引き上げた際に何が起こるのかについては、同じように最低賃金を引き上げた韓国を見るのが良いでしょう。

韓国で従業員のいない店舗が増えている。セルフレジを置く無人コンビニや、自動販売機だけが並ぶ店など形態は様々だ。人件費の負担増で店側が従業員を雇えないのが主な要因だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権は「所得主導型成長」を掲げて賃金を引き上げたものの、雇用を伴わない無人店舗の普及という皮肉な結果を招いている。(上記記事より)

上記記事にも書いていますが、私は個人的に最低賃金を引き上げることは賛成です。

ただし、最低賃金を引き上げるということは、日本人として最低限の生産性をそこに定めることに違いありません。

最低賃金を引き上げることを公約に含めるのであれば、格差是正の文脈ではなく、そこからこぼれる人の生産性を社会に合わせるための方策や、生活保障をセットで提示し、成長戦略の文脈で語られるべきだと考えます。

#日経COMEMO #NIKKEI

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