見出し画像

2024年上半期に読んで印象深かった本をご紹介

今半期はあんまり本を読めていないという印象だったのですが、まとめてみると思った以上に読んでいました。1月2月にバウンドという会社が出している子供向けの実用書を結構な冊数読んでお薦めだったのですが、個別に取り上げるほどではなかったのでここでは割愛しています。

こうやって改めて半期で印象に残った本を並べてみて思ったのは、「頭の良さ」について書かれた本が多いなぁということです。私は頭いい人に憧れがあるのでどうしてもそういった本を読んでしまうところがありそうです。

今回取り上げた中で1冊、最も印象に残った本を上げるとすると、一番上に持ってきている大西 康之著『起業の天才!―江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』です。Kindle Unlimitedで読んだのですがこれは非常に良かったです。江副浩正という稀代の起業家の人生を知りつつ、日本がIT小作人と称されるようになってしまった原因の一端が掴めるような気がします。(あくまで一端ですが)

大西 康之著
『起業の天才!―江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』

以下にまとめました。

虚業と言われれば、私も虚業で糊口を凌いている。自分がものづくりをしていないからこそ思うのかもしれないが、日本のものづくりは素晴らしい。ただ、現代はこの本で虚業と呼ばれた情報を扱う企業にお金も人も集まる時代になっている。日本のものづくりは素晴らしい、それだけにその成功体験を忘れられず、虚業に軸足を移せずに国自体が儲けられない体質になっているのではないだろうか。

上記記事より抜粋

リード・ヘイスティングス 、 エリン・メイヤー著『NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX』

優秀でいい奴を集めたら細かいルールは設定しなくていいし、それによって優秀な人はよりクリエイティブに仕事が出来るよと言う本。

No Rulesにするための色々な手法が書かれているが、一般的な日本の会社で実現するのは非常に難しいだろうなぁと思った。さらにいうと私のような平や、ミドル層が読んでもあんまり意味なくって、組織のカルチャーなんかを作って行く人や、役員クラスが読む必要がありそう。まぁ、読んだら出来るようなものではないと思いますが。

佐々木 チワワ著
『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認』

40代で歌舞伎町なんて行くことのない私からすると異文化過ぎて面白い。そういった私のような世代でも、生息域も違う人でも、この本を読むとそれぞれのエピソードからぴえん世代や現代の歌舞伎町の輪郭をつかむことが出来るのではないだろうか。

個人的には、昔の若者が田舎から渋谷に出てきて部族的な恰好をして、特異性の中に埋没したのと同じように、トー横を目指した人たちがいたというのが印象に残った。ああいった逃げ場みたいなものを潰すのは、結局対処療法にしかならんのよね。などと思うと真顔になってしまう。ぴえんこえてぱおん。『九条の大罪』4集も読み返したいなどと思った。

西岡 壱誠著
『 「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』

以下の記事にまとめてみました。

この本に書かれている賢いの定義は「ミクロとマクロや、抽象と具体、表と裏と一つの出来事について色々な方向から検討できること」だと読み取りました。これは以前紹介した『賢さをつくる 頭はよくなる。よくなりたければ。』と言う本とも共通していますし、私が座右の書にしている、エリアフ・ゴールドラッド氏の『ザ・チョイス』とも共通しています。3冊だけですが、同じような定義が書かれていることから少なくともある面から見ればそれは真実なのかもしれないですね。

上記記事より抜粋

大西 康之著

河村 有希絵著『思考の質を高める 構造を読み解く力』

以下にまとめました。

テキストコミュニケーションが増えた現代において国語力を上げることは、職場での評価とかに地味だけど確実に効いてきます。生存者バイアスのかかった本とか、付け焼刃のセミナーを受けるぐらいならこういった国語力を上げる本を読んだ方が、コスパよく楽に生きられるのではないかと思います。

上記記事より抜粋

橘 玲著『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』

感想をまとめてみました。

そういった天才的な数学の才能を持った人が集まる、シリコンバレーのビックテックが世界を変えるというのは何となく想像が付くかと思います。つまり、ビックテック中心にいる、テクノ・リバタリアンの思考を知ることはこれからの世界の方向を知ることに繋がるわけです。

上記記事より抜粋

落合 陽一著『日本再興戦略』

落合氏を初めて見たのはなんかのバラエティ番組で、変なことを言う人として取り扱いをされているところでした。(食事はグミです、みたいな発言をされていたかと思います)
それ以降私は落合氏の発言に触れることがなかったので、そういった変わった人という印象しかなかったのですが、この本を読んで順当なことを言う人だなぁという印象に変わりました。中には私には前提がわからんので判断できない話もありましたが、分かる内容については、前提から考えると当然の結果が書いてあります。

個人的には、機械翻訳の精度を上げるのであればそれ用にロジカルな日本語を扱った方が良いとか、日本がITで勝てなかった理由とか、国政の限界と地方自治の話ってのは印象に残りました。まぁ、そうしていくべきだという希望も入ってはいますが。日本ではAIや機械に対するラッダイト運動が起り辛いってのも納得しました。

前提が分からんくて検討できなかった、内容もアイデアとして抱えておこうと思います。

赤羽 雄二著『ゼロ秒思考』

感想などを記事にまとめてみました

赤羽雄二さんの書かれた『ゼロ秒思考』を読んでみました。思考術の本かと思ったら、A4のコピー用紙に、日付とタイトルをつけて4~6行のメモを1分間で何かを思いついたタイミングにハンドライティングで取るだけで、人が元来持っている聡明さが目覚めるぜ!みたいな本でした。

上記記事より抜粋

因幡はねる・松本吉弘著『VTuber×Mリーガー 上達レッスン 最速で強くなる麻雀』

先週、「雀魂5周年記念~魂天神社例大祭」でも「雀のから騒ぎ」というコーナーの司会をされていた因幡はねるさんと、最年少Mリーガー松本吉弘さんの麻雀本です。入門からざっくり点数がわかるようになったぐらいの人が対象で私には丁度良かったです。

お二人の関係性なんかもわかるちょっとした対談もあって「誕生日配信」や「ぐみひゃく」なんかの関連動画の視聴も進みます。

特に、配牌に点数をつけて打ち方を変えるとか鳴きの判断とか、点数状況に応じた打ち方なんかはかなり参考になりました。ちょっと意識してプレイしてみようと思います。

マクシム・ロヴェール著『フランス人哲学教授に学ぶ 知れば疲れないバカの上手なかわし方』

バカという言葉はあまりに意味が広くなりすぎていて上手くつかめないし、もしつかみ切ったと思っているのであればそれはその人自体がそうなっているからなんじゃないかと思う。

バカの定義の一つに良くあろうとする努力を怠っている人というものがある。我々は大抵、相反する二つの状態の間でバランスを取りながら生きている。そういった努力を放棄して極端に振れたり、あやふやな状態が耐えられずわかり易い答えに飛びついたりする人はこのバカの定義に当てはまっているといえる。

雑草なんて草はない、雑草はあなたの無知の表れだとかよく言うと思うんだけど、それと一緒で、自分が理解できないものをバカだという人が意外といる。これは結局のところ自分の理解できないものを理解しようとする努力を放棄し、ラベルを貼ることでそれ以上の思考を止めてしまった、良くあろうとする努力を怠ったバカの一例と言えるだろう。

子供の頃、バカという人がバカなんですと言っていた友達がいたが、あれは狭い範囲ではあるもののバカという言葉の、一つの芯を捉えた発言だったのだなぁなどと思った。

2023年下半期に読んで印象深かった本をご紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?