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『思考の質を高める 構造を読み解く力』のご紹介

まとめ

テキストコミュニケーションが増えた現代において国語力を上げることは、職場での評価とかに地味だけど確実に効いてきます。生存者バイアスのかかった本とか、付け焼刃のセミナーを受けるぐらいならこういった国語力を上げる本を読んだ方が、コスパよく楽に生きられるのではないかと思います。

感想

「構造学習」という文章を構造で捉える小学生向けの学習方法があるそうです。著者は小学生の頃に学んだ「構造学習」をベースに、構造で読み解くだけでなく、思考を構造に書き起こしてから文章化することで人とのコミュニケーションを円滑に進めるための力、構造読解力を提唱し、この本ではその概要とトレーニング方法が紹介されています。

「構造学習」小学生向けなのに聞いたことないなぁと思ったのですが、戦後まもなく提唱されて1970年代には1000人ほどの教員が構造学習の全国組織の会員だったようなのですがその後は下火になっているようです。1000人いたとしても自分の担任が当たる確率はかなり低そうですね。残念。

テキストコミュニケーションは年々重要性を増していて、仕事をしている人であればほとんどの人が、日常的に文章を読んだり、書いたりしています。ただ、なんかの本に書いてありましたが、7割の人は文章が正しく読めていないですし、読めない以上正しい文章も書けていないそうです。まぁ、それでも意外と社会は回ってるんですけど、楽に生きたければ文章の読み書きが正しくできるに越したことはありません。読解力に自信がなくって、楽をしたい人はこの本を読んで、書かれているトレーニングをやってみると想像以上に楽に生きられるんじゃないかと思ったりします。

個人的には、テキストコミュニケーションが増えた昨今だからこそ、リスキリングとかなんとかよりも、国語力を伸ばすのがコスパの良い自己投資だと思います。そういった意味でも、この本には多くの問題が掲載されていて、解いていくことで構造で読み解くというのがどういうことなのかを理解出来たり、構造で読み解いたり、登場人物の心情を慮る練習ができるのはコスパよく国語力を身に付ける第一歩にちょうど良いのではないかと思いました。

学生の頃から国語だけは平均点を下回ることがなかったので、読解力には比較的自信がある方なのですが、登場人物の心情を慮るところなんかは思った以上に苦戦したので、これからは脇役の心情なんかも考えながらじっくり小説を読むようにしようと思います。ごんぎつねはまだしも、原田マハさんの小説の母親の心情ってのは中々言語化するのが難しかったです。

生活に忙殺されていた母親が、ゆったりした旅行の中で娘の成長と、青さと、やさしさに触れたということなんじゃないかと思うんですが、なんかふわっとしてて上手く言語化できてない感じがするんですよね。まぁ、人の気持ちの話なのでそうロジカルなものでもないのかもしれないですけど。

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