見出し画像

2023年の出生率1.20に思う

厚生労働省は5日、2023年の人口動態統計を発表した。1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は1.20で過去最低を更新した。出生数や婚姻数も戦後最少だった。経済負担や働き方改革の遅れから結婚や出産をためらう若い世代が増えた。少子化と人口減少が加速してきた。

上記記事より抜粋

個人的には、多くの人が少子化の問題に対して緊迫感を持っていないため、有効な政策が打ち出されないのではないかと思ったりします。

プライマリーバランスとは、国や自治体の支出と収入の差を表す指標で、日本の政策はプライマリーバランスをプラスに(収入を支出より多く)することが基本方針となっています。この考え方の是非については結論が出ていませんが、プラスにしようというのが多数派であることは認識しておく必要があります。

その上で、日本は高齢化が進行しており、医療費や年金などの支出が増加しています。この中でプライマリーバランスをプラスにするためには、収入(税収)を増やす必要があります。景気が良くなれば税収も増えますが、景気のコントロールは難しく、現状では増税という手法が取られています。(私も天引きされる金額が増えてつらいです。)

プライマリーバランスを重視すると、国家の予算は固定され、その中で何にどれだけお金を使うかが重要になります。その分配は政府が国民の意見を忖度して決定していると私は考えています。

例えば、乱暴ですが、収入に関係なく子供がいる家庭に対し、毎年その子供を育てるのに十分な額のクーポンを配るなど、子供を持つことに経済的な負担が無くなるような少子化対策を行えば、子供を産む人は増えるのではないかと思います。

しかし、これが実現しないのは、プライマリーバランスを取るという前提の上で、少子化対策に多額の予算を割り振ることが国民の支持を得られないと政治家が考えているからではないでしょうか。

さらに踏み込んで考えると、少子化に対する危機感を持っていない国民が多いため、このような判断がされるのではないかと思います。

私自身も少子化に差し迫った危機感というのは感じていません。正直何が困るかよくわからんですし、日本は消滅するとイーロン・マスク氏が言ったりしてますが、それもやっぱり何が困るのかよくわかりません。貧すれば鈍するといいますが、実感の湧かない先のことをよりも明日のおまんま(経済対策)の方が気になります。

もちろん、私のように鈍感な人ばかりではないと思いますが、少子化で実際に困っている人や、その影響をリアルに想像できる人は少ないのではないでしょうか。そうなると、少子化対策で支持を得るのは難しく、予算がつかず、有効な対策が取れないのではないかと思いました。

#日経COMEMO #NIKKEI


いいなと思ったら応援しよう!