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2023年7月の記事一覧

2023年7月に読んだ本まとめ

文芸書小川 哲著『ゲームの王国』 グロテスクな表現が多いですが、泥の戦闘後の解放よりも、どんどん処理されていく、ロベーブレソンの住民よりも、秘密警察による拷問の数々よりも、描かれている出来事の多くががルール設計によって起こっているってのがグロテスクだと思うわけですよ。私は。 記憶力が悪いからなのか、自分の記憶をあまり信用していないところがあります。反芻した記憶は勝手に改竄されてしまっているんでしょうし、実際のところ、反芻していない記憶はどんどん消えていってると感じています

リスキリングについて思う

2024年度予算に、人への投資等に使う「重要政策推進枠」を設ける案を財務省が示したようです。個人的には「リスキリングにどんな内容が含まれているのか」が気になったりします。 リスキリングは「より生産性の高い仕事への労働移動を促すための学び直し」と言う意味なんだと理解しています。リスキリングに予算をかければ多くの人がより生産性の高い職に就くことができ、賃金も上がるということに大きな反対はないです。 ただ、現代では生産性の高い仕事になればなるほど知的労働が求められます。政府の指

2023年上半期に読んで印象深かった小説をご紹介

2023年上半期は19冊の小説を読みました、その中から特に印象深かった10冊をご紹介させていただきます。本半期は小川哲さんの作品と出会えたというのが良かったです。現在も『ゲームの王国』を読んでますが非常に興味深い作品です。 そんな関係もあり、最も印象に残っているのは『地図と拳』になります。電子書籍で読了したので、書店で見かけた際に分厚さにちょっと引きましたが、その分厚さだけの時間をかけて読む価値のある小説だと思いました。『ゲームの王国』でも感じていることですが、小川さん自身

2023年6月に読んだ本まとめ

絶賛、麻雀にはまっておりまして読書の時間はあんまり取れていないです。麻雀はランダム要素が強いことがついつい続けてしまう理由な気もします。そればかりになると了見も狭くなってしまうので、節度を持って楽しみたいものですね。 あまり時間がかけられなかった関係から、人文書(事実が書いてあるけど実生活ですぐに役立つことはないと定義)が読めてないです。7月はそういった関係の本も読んでいきたいと思います。 文芸書平野 啓一郎著『ある男』 これは染みるやつなんやろうなぁと思う。 囲碁で目