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2022年8月の記事一覧

2022年8月に読んだ本まとめ

今月は『夜が明ける』と『ペリリュー』が良かったです。どちらも読んだ後に何かしら世界の見え方が変わるような作品で、一カ月に2作品も出会えるなんて非常にラッキーでした。 文芸書京極 夏彦著『絡新婦の理』 春ごろから読んでいる百鬼夜行シリーズもこれで5作目。一応20代前半の頃に全シリーズ読んでるので再読になるのですが、『絡新婦の理』が一番好きですね。比較的PCにうるさくなった現代に読んでも違和感がない主張がされているというのが面白いですね。20代の頃にどう思ったのか聞いてみたい

ツイッターを見ていて思ったりしたこと

格差をなくすためには「学歴中心から経験中心に」と言ったワードが私のツイッターのTLでは話題になっています。それがツイッターの良さでもあるんでしょうけど、議論が錯綜しているなぁといった印象です。 ちなみに上記については転載元の動画で既に、米国では経験中心になったことで、経験をお金で買える子供がより有利になり格差がより広がったとオチがついているようです。 昨日、日経新聞の経済教室で上記の記事が上がっていました。「学歴中心から経験中心」では格差をなくすために、「評価軸をずらそう

スポーツと感動について考える

今朝の新聞に「見ず知らずの小学生が徒競走をしているのを見て涙ぐむ」と「オリンピック」が関連付けられて語られている記事がありました。 スポーツに感動するというのは、その技術の素晴らしさがわかる人がその技術を習得するまでの時間に思いを馳せて感動しているんだと私は思っていましたが、上記の記事の流れからどうもスポーツの楽しみ方はそれだけではないようだと思い至り、心を揺さぶられる理由についてちょっと考えてみました。 一つ目はドラマパターン、これは「高校野球」がわかりやすいと思うので

小さく失敗するぐらいが、丁度いいと思う。

上記の記事はIT開発についてですが、それ以外のプロジェクトや計画についても準備せずにとりあえずやってみたり、やりつつ組み立てる方が、準備に時間をかけて机上で修正を行うよりも実際の結果を受けて修正ができるので早く成果を出すことができます。 それについては多くの人が知っていることだと思うのですが、何故そうしない人が多いのかというと、失敗が許容されないと思っているからではないでしょうか。 日本社会では失敗が忌避されているので、失敗が許されないというのが真である場合も間違いなく存

西 加奈子著『夜が明ける』の感想

有休を取得して一気読みしました。『夜が明ける』読んでたら日が暮れてたわけです。 貧困や社会的弱者に関する本は一般の人よりも読んでいるし、そもそも私自身、大学に行ってなくて、25歳ぐらいまで定職についていなかったり、30代にして1年以上無職の時期を過ごしたりしているので、自分は主流からは外れてて、ある程度分かってる方だと思ってました。 ただこの本を読んで、自分の想像力のなさにちょっと泣いてしまいました。 最後の方で2016年から2020年ぐらいに現実に起こった出来事が色々