見出し画像

ドイツで脱原発実現。その本気の覚悟をぜひ示してほしい。

ドイツは2023年4月15日、国内すべての原子力発電所を停止し、脱原発を実現しました。ドイツで商業原発が初めて稼働したのは1961年 (ウィキペディア「ドイツの原子力発電所」より) ということなので、62年間の歴史を終えたということです。

今後は廃炉作業、核廃棄物の処理など長期にわたる課題に取り組んでいかなければなりません。これらのコスト負担に対する考え方、環境や安全性を維持するための課題、そしてそれらに適切に対処していくための技術力の保持など、脱原発に取り組んできた人たちもこれですべてが終わったとは思えないと思います。

ドイツ政府は国民の半数以上が「脱原発」に懸念を示す中、脱原発を決意しました。4月の世論調査では「脱原発」に反対と答えた人が59%で賛成の34%を大きく上回っていたといいます (NHK 2023年4月16日 6時19分)。そこには今後のエネルギー確保への懸念も含まれていると思います。

レムケ環境相は3月末の記者会見で、「原発のリスクは、ドイツのような高い技術を持った国でも究極的には制御できない」と指摘しています (朝日新聞デジタル 2023年4月14日 8時00分)。さらに同じ会見で「原発は戦争における標的になる」「戦争状態においてまで防護対策のとられている原発は世界のどこにもない」と述べています (しんぶん赤旗 2023年4月16日) 。

ドイツ政府は国民の懸念やその他のリスクを考慮しても、政府として原発の安全性に関するリスクはとれないと判断したということです。

私は、ドイツ政府は、原発を続けるリスクとエネルギー確保等のリスクを比較し原発の安全性のリスクはとれないという、合理的ではあるけれども国民への一時的な負担増になるかもしれない重い覚悟のいる判断を下したのだと思います。

また、今後近隣諸国に対してドイツの決断の負担を押し付けないように、周辺諸国を含めた地域の脱原発のリーダーとなるべく、再生可能エネルギーシフトへの道筋を真剣で不退転の覚悟で示していく必要があると思います。

私はドイツの決断を賞賛したいですし、あわせて、ドイツ国民の技術力と団結力と知恵で、脱原発およびCO2排出削減の明るい道筋を世界に示してほしいと期待しています。

(参考)

[ウィキペディア「ドイツの原子力発電所」]

[NHK 2023年4月16日 6時19分]

[朝日新聞デジタル 2023年4月14日 8時00分]

[しんぶん赤旗 2023年4月16日]


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?