もうこれ以上子供たちが紛争や戦争や犯罪の犠牲になるのは我慢ならない
中東で子供たちが犠牲となっているニュースを見るたびに、本当に心が痛みます。
子供たちの犠牲は中東だけではなく世界中で起きています。2023年6月の日本ユニセフ協会のプレスリリースによると、ユニセフは2005年にモニタリングを開始して以来、アフリカ、アジア、中東、ラテンアメリカで起きた30以上の紛争において、紛争当事者による31万5,000件の重大な権利侵害を国連が確認したと報告しています。死傷者数は18年間で計12万人にものぼり、1日平均20人の子供たちが武力紛争で死傷しているということです。
様々な歴史的、政治的、宗教的、文化的軋轢があるとしても、子供たちが犠牲になることを是とするような国家や、政治、宗教、思想などが許されてよいとは、私には考えられません。
子供たちの人権が守られるために国連にはどのような枠組みがあるのか調べてみたいと思い、検索していたところ、以下のようなコラムを見つけました。これは内閣府のページにある国際平和協力本部事務局(PKO)の国際平和協力研究員による研究員ノート(旧 @PKOなう!)に掲載されているコラムです。
[第114回 武力紛争地の子どもの権利を保護する法的枠組み]
ここで紹介されているのは成立した順に
国際人道法(International Humanitarian Law: IHL)
ジュネーヴ諸条約(Geneva Conventions)
ジュネーヴ諸条約に対する追加議定書:第一追加議定書(Protocols Additional to the Geneva Conventions of 12 August 1949: Protocol I)
ジュネーヴ諸条約に対する追加議定書:第二追加議定書(Protocols Additional to the Geneva Conventions of 12 August 1949: Protocol II)
児童の権利に関する条約(UN Convention on the Rights of the Child)
地雷問題・対人地雷禁止条約(オタワ条約)(The Mine-Ban Convention/Mine Ban Treaty/Ottawa Treaty)
国際刑事裁判所設置に関するローマ規程(Rome Statute)
最悪の形態の児童労働の禁止等に関する条約(第百八十二号)(Worst Forms of Child Labour Convention, No. 182)
武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書
クラスター弾に関する条約(オスロ条約)(Convention on Cluster Munitions)
このような数々の法的枠組みや国際条約での言及や理念があるにもかかわらず、いまだに戦争や紛争での子供たちの犠牲が防げないのは、そもそも武力紛争や戦争そのものを「正当化」する概念を、私たちが克服できていないことにあるのではないでしょうか?
武力紛争や戦争を正当化し、「紛争や戦争には犠牲がつきもの」と言ってしまう考え方がある限り、子供たちの犠牲はいつまでも続くのではないでしょうか?
「武力による問題解決や戦争そのものを犯罪とする国際規範」が確立され、すべての国家がそれに従わない限り、子供たちの未来が守られることはないのではないかと感じます。
私たちにとっての「子供たちを犠牲にしない」の本気度は、日本国憲法第九条に述べられている「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」を実現するためになにができるか、国内でも議論を尽くし、外交でも最大限の努力をし、世界のイニシアチブをとることによってこそ示されると思います。
軍拡や核の傘を正当化している限り、子供たちの命を武力紛争や戦争から守るという願いはかなえられないのだと思います。
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