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Line of Fire (ライン・オブ・ファイア)ってなんだろう?

石油開発会社にはライフセービングルールというものがあります。

私が現在働いている会社でも、10のライフセービングルールが定められています。

この10のライフセービングルールの中の一つに Line of Fire (ライン・オブ・ファイア) というものがあるのですが、私にとってはちょっとこの言葉だけすぐには意味が分かりませんでした。

Line of Fire を辞書で引くと「射線」「攻撃を受けやすい位置」「砲撃にさらされる場所」「弾丸の通り道」などの意味が出てきます。なんだか戦場で使われるような言葉のようです。

なるほど、何となく危険なにおいがしますね。

Fire には「火」や「炎」などの意味のほかに、「発射、発砲、射撃」という意味や、「(発射された)ミサイル、砲弾、銃弾」などの意味があるのですね。

セーフティー・インダクション・コースを受講したとき、講師の方が石油開発現場における安全確保や危険回避の観点からこの言葉の意味を説明してくれました。

銃弾、砲弾はたとえですが、同じように高エネルギーを持って動いている物体 (重量のあるもの、高速で動くものなど) や動く可能性のある物体の前や、下や、通り道に立たないこと、という意味だそうです。

石油開発の現場は、クレーンで吊り下げられた重量物や、高温、高圧、高電圧・電流など、危険なほどの高エネルギーを持つ物体や場所が沢山あります。もちろん、常に危険な場所にはそのようなマークや、簡単には近づけない工夫がなされていますが、私たちも常に周りに気を配り、危険な物体からの「攻撃にさらされる場所」ではないか確認し、そのような場所に近づかないことが大切だということです。

私たちの普段のくらしの中でも、Line of Fire を避けることで、危険やリスクを軽減することができると思います。

例えば、自動車や自転車の通り道に立ち止まらない、落下してくる可能性のある物の下に立たない、牽引中のロープの傍に立たないなどです。

物がどのように動くか、ロープが切れたときに何が起こるか、水や圧力がリークしたときに何が起こるかなど、想像してみることがとても大切だと思います。

そして、仕事でも、ネット生活でも、家庭生活でも、物理的な Line of Fire だけではなく、人からの視線や批判や反応を予想して、Line of Fire を回避する努力が必要かもしれません。

理論的で科学的な予想と想像力を働かせることが、自分の身を守ることになるのかもしれません。

Line of Fire、ちょっと心に残るワードでした。

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