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戦争を体験した先生の言葉

まだ学校に戦争を体験した先生方がいらっしゃった時代、実感のこもった言葉で現行憲法の背景と意義について教わりました。

人権の尊重を前提とした民主主義とはなんて崇高で厳格なものなのだろうと思いました。

自ら二度と戦争の道に踏み出さないために、過去の戦争に至ったプロセスを理解したうえで、外交努力だけで戦争をしないというものすごい覚悟をきめたのだなと思いました。

一方で、個人の自由や人権に制限をかけることに対して非常に慎重で、なんてまどろっこしいシステムなのだろうと思いました。

そんな私たちに、先生は、民主主義は民主的な教育の浸透と、各人の自覚と弛まぬ努力がなければ簡単に崩れ去ってしまうものだとおっしゃっていました。まどろっこしくてもそれが民主主義なのだと、そして民主主義が壊れれば、個人の自由や人権や平和なんて簡単に奪われてしまうのだと教わりました。

戦前から戦中と、戦争に突き進んだ時代を生きた人たちの言葉でした。過去の反省と新しい憲法への希望が込められた重みのある言葉だったなと思います。

様々な困難を克服して、ここまで到達した人間の英知に誇りを感じました。そして民主主義を守るために自分たちにはたせられた責任や使命にドキドキしたものです。

民主的か非民主的か、この間に中立はありえないのだと思います。政治家も私たちも努力を怠り、手を抜けば、民主主義はあっという間に壊れてしまう。私たちの寡黙や傍観は結局、非民主的なものへの手助けにしかならないのだと感じます。

政治家は説明をする。私たちは説明を求める。これが民主主義を手放さないための基本なのではないかと感じています。

誰に対しても政治的発言をすること自体を非難したり否定したりすることは、自ら民主主義の原則と個人の権利をドブに捨て去るようなものだと思います。

わたしたちは非民主国家の行く末をいくつも見てきました。日本はまだ間に合うと信じています。

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