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南国石油会社のインタビュー
南国の石油開発操業会社へ出向する際や出向後には、通常の上司との定期インタビューとは違う、合否を決めるためのインタビューを受ける機会が何度かあります。
まずは入社試験にあたるインタビュー、そして出向先社内で希望部署への移動やジョブ・タイトル変更の可否を決めるためのインタビュー、また、ジョブ・グレードを上げるためのインタビューなどもあります。
わたしもいままでに何度かこれらのインタビューを受けてきました。インタビューアーからの質問につぎつぎ答えていくのですが、質問の意図が分かりにくいときもありますし、どう答えれば相手が納得するのか、相手の顔色をうかがいつつ、軌道修正しながら答えていく必要がありました。2時間以上の技術ディスカッションのようなインタビューを受けたこともあります。
コロナ下でのインタビューではオンラインの音声だけで行われたこともありました。相手の表情が見えず、声の感じだけで相手が納得したのか判断しなければならず、Face to Faceよりもさらに苦労しました。
私の属する日本の石油会社は南国操業会社の複数の株主の中の一社です。しかし、南国操業会社およびその筆頭株主である国営石油会社のルールにより、一般公募での応募者であろうが、人材派遣会社からの派遣候補者であろうが、株主からの出向候補者であろうがインタビューを受けなければなりません。そして株主からの出向候補者であってもインタビューで落とされることがあります。
どの株主も、自分が出資するプロジェクトに支障をきたすような人材を送り込んでくるとは考えにくいし、かりに何か問題があっても、株主にクレームをつけて指導・対応してもらうか、別の人材に変えてもらうこともできないわけではないので、株主からの出向候補者に対してまでインタビューを行い、ましてや不合格を出す意味がよく分かりませんが、とにかくインタビューはするし、不合格になることもあります。
インタビューは、プロジェクトとは直接利害関係のない第三者が入った数人のインタビューアーによるパネルが組織されて、そのパネルによるインタビューで合否が決まります。したがってプロジェクト固有の「空気」を読んだインタビューとはならないことがあります。一般公募者だろうが株主からの候補者だろうが区別なく、インタビューの結果だけで合否が判断されることが多いようです。
私はインタビューする側になったことも何度かあります。
インタビューでは大まかにはいくつか決められた確認ポイントがありますが、インタビューの細かい質問内容はそれぞれのインタビューアーに任されているため、大抵インタビューアーの興味や、インタビューアー独自の基準で質問や合否の判断が行われます。
最終的にはインタビュー結果はパネルの合議で合否が判断されるのですが、特にパネルをリードするような発言力のあるインタビューアーの中にどうしても候補者の回答に納得できない人や心象を害してしまった人がいると、合議としても合格点がつけられません。
経験も受け答えも特に問題なさそうに見えたのに、ちょっとした質問に候補者がうまく答えられなかったことがきっかけで、インタビューが炎上し、その後候補者が頑張って挽回しようとしてもうまくいかず、不合格になった例をいくつか見てきました。南国インタビューの展開は先が読めず怖いところがあります。
出向も出向先での部署移動も、たいていは日本の石油会社の意向を受けておこなわれるものですから、インタビューで失敗しないようにしなければと、インタビューの際にはいつも大変緊張します。
ですが、落とされてもそれで人生終わりというわけではないし、欧米のスーパーメジャーからの出向候補者でさえもかなり落とされる人がいるのですから、若い人にもどんどんチャレンジしてほしいと思っています。
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