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リゾート建築物語③小さなホテルのタンジュンサリから始まった大きなプロジェクト「バリ・ハイアット」

1970年、バリのサヌールにあるリゾートホテルの「タンジュンサリ」を創設したウィア・ヲルントゥとその場所に訪れたオーストラリア人アーティスト、ドナルド・フレンドが新たなリゾートを計画しました。
当時、彼らは「マタハリ」と名づけた新しいリゾートのプロジェクトを計画していました。
「マタハリ」プロジェクトは実現しませんでしたが、その敷地と計画は後の「バリ・ハイアット」に受け継がれました。


そして、この「バリ・ハイアット」の現場建築家として、パブリックエリアなどを担当したのが、後に数々のアマンリゾートの建築を手がけることになるケリー・ヒルです。


バリ・ハイヤットはバリのサヌールに位置するビーチフロントリゾートです。
色鮮やかな花々や、バリ風の彫刻や石像などが点在するトロピカルガーデンが備わったリゾート内には、スタンダードからスイートまで、全363室の客室が揃っています。
ホテルの目の前は500メートル続く海岸線が広がり、レストランヤプールからも美しいビーチを臨むことができます。
2018年12月にリニューアルオープンしました。
リニューアルによってレセプションは高さが変化して以前よりも一階層分ほど高くなり、レセプションからの眺めはよりよくなりました。
このリゾートが建設された当初は「バリ・ハイアット」といわれ、リニューアル後は「ハイアット・リージェンシー・バリ」となりました。新しく生まれ変わったリゾートを紹介します。


このホテルはバリエーション豊かな雰囲気を楽しめるリゾートという印象を受けました。
というのも、鉄筋コンクリート造のモダニズム建築とバリ伝統の建築様式からなるトロピカル建築の二つの様式からなるリゾートで、外部空間も大きく2つの空間に分けられるからです。


モダニズム建築の宿泊棟は集合住宅のような直線的でシンプルな設計であり、建物を三つコピーしたこの建築は機能性を重視したル・コルビジェの影響を強く受けているように感じます。


バリの空気感漂うエントランスは木造と壁のない開放的なつくりになっていて、エントランスに訪れたゲストはバリの雰囲気を最初に味わうことになります。


建物の外部では会員制ラウンジとスパなどの静かな空間とプール、キッズルーム、庭園などの賑わいの空間が建物によって分離されていて、建築様式だけではなく外部でもバリエーション豊かな空間を味わうことができます。

あらゆる空気感が存在するこのリゾートは少しテーマパーク的な雰囲気を感じさせます。
このホテルは数々のアマンリゾートの建築を手掛けることとなる前のケリーヒルが現場監督時代の作品となっています。
宿泊としてゆったりと過ごすのもいいですが、美術品を見るような感覚でこのリゾートを楽しむことができるのもこのリゾートの醍醐味だと思います。
宿泊する際は歴史などを調べてみてもいいかもしれませんね。

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