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『The Days After 3.11』 一大決心!東京から2,000人の町へUターン移住:栃本あゆみさん#1

福島県沿岸部に位置する浪江町。
港町があり、福島原発に近いこともあり、居酒屋も非常に多くあった町だ。
Dash村もこの村にあった。

東日本大震災。
震災後の原発事故の影響を受け、全町民避難を余儀なくされた。
そして6年後に一部帰還困難区域が解除されるも、未だ7割以上の区域で人が住めない状況が続いている。
かつては21,000人いたが、現在は2,000人弱。

そんな地域にUターンで戻ってきた栃本さんのお話。

栃本あゆみさんのプロフィール

福島県浪江町出身。高校卒業までは浪江町に住んでおり、その後上京。
飲食店向けのコンサル会社に勤務。直営の店舗運営や物件探しから資金調達のお手伝いなど手掛ける。
東京から離れるつもりはなかったが、2011年の東日本大震災と家族の諸事情が重なり、2021年にこの町に戻ることを決め、Uターン。
現在は浪江町駅近くでおむすび専門店「えん」を営む。


「震災で家族が避難生活をしてるとき、 家族は絶対に浪江町に戻りたいというすごく強い思いがありました。
だけど、一番戻りたいと言っていた父親と祖父母の3人が避難中に亡くなってしまって、"町に帰る"という思いを果たせなかったんです。
避難先で人生の最期を迎えた父や祖父母たちは悔しかっただろうなっていう思いもあります。」

震災で自分たちと同じような経験、境遇をもつ人たちがたくさんいるんじゃないか。それにふるさとに戻っても、景色やコミュニティは変わりつつあり、懐かしいと思えなくなってしまっているんじゃないか。ご家族を亡くされた後、栃本さんの胸にはいろんな感情が渦巻いたという。

「浪江に帰るきっかけも、お墓参りぐらいだったり。用だけ済ませてそのまま帰っちゃうことも多いんです。
元々浪江にいた人たちが帰ってくる場所というか、"ただいま"という感覚で戻れる空間を創りたいなと思い、お店を開くことを決めました。」

栃本さんは、自身の経験を活かして、食を通してふるさとに貢献したいと考えていた。そしてどんなお店にしようかと考えた時、東京に住んでいて心細かったときに出会ったおむすびのことを思い出したそうだ。

「当時は今ほどなかったんですけど、東京でおむすび専門店というのに出会って。握りたてのおむすびが食べれるんだ!って。大きなホカホカのおむすびを食べた時、懐かしいような、ほっこりした気持ちになったことを思い出したんです。おむすびって不思議と心が温まるし、わたしの実現したい未来にぴったりだと思いました。」

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