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なぜトカゲのしっぽは生えてくる? その仕組みに迫る!
私たちの周りにいる爬虫類のなかでもっとも一般的なのが、トカゲでしょう。
俊敏に動き回り、虫などを食べていきています。
このトカゲ、面白い生態を持っています。
自身に危険が迫ると、なんと自らしっぽを切り落として逃げる習性をもっているのです。「自切(じせつ)」と呼ばれています。
よくビジネスや政治の世界で、部下に責任を取らせ辞めさせるなどして、上司はのうのうと生き延びることを「トカゲのしっぽ切り」というのは、このトカゲの習性から取られています。
まず、トカゲはどうして自分で噛みついたりしていないのに、自らしっぽを切ることができるのでしょうか。
切れやすくなっていしっぽ
トカゲのしっぽは、切れやすい仕組みになっています。
骨に「脱離節(だつりせつ)」と呼ばれるいくつもの小さな関節が入っていて、骨同士が緩やかにつながっています。その細かな関節に沿うように、周りの筋肉や皮膚にも同様の切れ目が入っていて、非常に切れやすい構造になっています。
そして身の危険を感じると、この脱離節の近くにある筋肉に、関節を外すように力が入ります。わざと力むというより、反射的に力が入ってしまうそうです。
すると、いとも簡単にコロリとしっぽだけが落ちるわけです。
また生えてくるしっぽ
この、自らしっぽを切るという行為ですが、私たち人間からすれば想像もつかない恐ろしい行動です。私たちは、危なくなったからといって、腕や足を切り落とすなんてことはしないですよね。
トカゲたちがこうした自切を行なえるのは、切り落としたしっぽがそのうち生えてくるからです。どうせまた生えてくるのだから、危なくなったら切ってしまおうというわけですね。
私たち人間では、一度なくした腕が生えてきたりしません。では、いったいなぜトカゲのしっぽはすぐに生え戻るのでしょうか。
植物の根のような仕組み
しっぽがちぎれると、その切り口は不思議な動きをします。
脱離節面の筋肉がすばやく収縮して、出血するのを防ぐのです。
さらにその面には、再生芽という細胞が存在しています。
これがしっぽが生えてくる鍵となるものです。この細胞は、植物が根さえあればまた伸びてくるのと同じように、しっぽが生えるように増殖することがあらかじめ遺伝子にプログラムされています。もとの細胞があれば、組織全体を再生できるということですね。
そして再生芽が切り口から増殖していき、しっぽが再生するのです。
ただし、このトカゲのしっぽ、骨は再生されません。再生されるのは、筋肉など周りのものとわずかな軟骨のみ。前にちぎれた脱離節面から先の骨は再生せず、軟骨だけが入っている状態になってしまうのです。
この仕組み、再生医療の分野での活用を目指して研究が進んでいるそうです。確かに、人間に応用できれば、失った臓器をつくったりできるほか、ありとあらゆる疾患に対応できるかもしれませんね。トカゲには、まさに人類の夢が詰まっているのです。
Ⓒオモシロなんでも雑学編集部
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