思い込みという鎧(よろい)
わたしは小さい頃、それほど問題なく育っていました。いまの若い子のような、無力感などもなかった。と思っていた。
カウンセリングの話を主治医に伝えました。先生は、わたしはカウンセリングは今すぐ必要ってほど深刻でもないけど、問題を山ほど抱え込んでるのは間違いないので、やってみたらと薦めてくれました。
そもそも、無意識の中がドロドロになってると言われた辺りで、もしかしてあのことも、このことも、と心当たりがいっぱい浮かんできて、冷静さを失いました。
でも、表面に出てきてるということは、それは無意識ではないのですよね。
つまり、今記憶ではっきり覚えてるなら、それは無意識じゃない。
では、なぜわたしは、無意識を悪いイメージに思ってしまったのだろう?別に、悪いとはひとことも言われていないのに。
これが、思い込みなんだな。
だって過去の忘れてることは、悪いことばかりじゃないはずだ。友達といっぱい遊んだり、廊下の奥の扉を開けたら、不思議な場所につながってたと信じてたことだって、もう時々忘れてる。石ころで丸を書いて、ケンケンパーをしたことも、あやとりがすごく早かったことも、だいぶ忘れていた。
わたしは思い込みにはまりやすいのは自覚があったけど、見事にそのことも忘れていたよ。
こうやって、都合のいいことばかり記憶のいちばんわかりやすい棚に置いてるんだろうな。
そういえば、最近ビジネスのマニュアルをよく読むようになって、実際にわたしがした体験の方が自分に合ってた、という体験をしました。
これこそが思い込み。がっつり稼いで実績がある人の方がいいのではないか、という思い込み。でも、現場でうろちょろして経験と体当たりでどうにかしてた90年代、そんなマニュアル見てたっけ?ないよね?
あの経験があってこそ、今人形を作って売ってるのに。忘れたらあかん。
SNSの使い方も、別に自由だ。集客してもいい。しなくてもいい。わたしのスタイルに合わせて、見た方が喜んでくれるならそれでいい。リアルタイムで発信できるという特性をふまえた発信をすればいい。発信歴が長いんだから、もっと自信もっていい。
ありのままを受け取ることも、難しく考えていたが、わたしは本来、ありのままを受け入れていた。サバイバーになったので、全部は出来なくなっただけ。たとえばジェンダーも気にしないし、出目も現在の見た目さえも、ほとんど気にせず「ありのまま」記憶しちゃってたはずだった。
いつの間にこんなに、思い込みで鎧を作ってたんだ?
思い込みが出来たのが先だったのか、サバイバーが先だったのか。今となってはもうわからない。ただ、思い込みは、行動や仕事、人間関係、すべてにおいて邪魔なもののはずだ。
調べもせず、「こういうもの」なんて言ったら誰でも怒るよね。
わたしが怒ってるんじゃないのか?
人形を作っていた時期も、イラストやゲームを作ってた時期もあるけど、その時にそうしたいと強く願って、叶えていた。いまの人形スタイルに変えたのは5年くらい前ですが、無性に楽しかったのです。
はじめて編み針を手にしたときも、誰かに勧められてやったわけではありません。わたしの周りには編み物をしている人がいなかったので、自分でやってわからないところを、お店に行って聞いていた。
イラストだって、描き始めたのがいつかすら覚えてない。
仕事にしようと思い立った時でも、誰かに褒められたわけじゃない。
90年代、イラストを仕事に出来たのも偶然の出会い。
上手になるために人に聞くことはあるけど、「わたしは何をした方がいいですか」って聞いたことはない。体が勝手に動くというか、脳筋というか。
その楽しさが、人には伝わりやすいようで、うまくいきだすと人を呼ぶ。
人を呼べないときでも、無性にやりたい時は止めずにやっていた。
ただ、たまにそれを止めるのが、家族や仲の良い人の時があるなあと思っていた。いわゆるドリームキラーとわかってからは、逆に歩みを止めることはなくなった。だって、これからうまくいく約束のサインだったのだ。
いま、「思い込み」「ブレ」があるって、言われる。
でもこんなに人に、自分のやり方を否定されたのは、たぶんこの年になってはじめてです。
ってことは、この「思い込み」「ブレ」がこれからの人生の重要なキーワードとして、提示されてるんじゃないか?今まで4人くらいに言われたのです。しかも全員、プロの方。
それでピンときて、カウンセリングをし始めたのです。
これは、わたしが間違ってるのではない。気づけ、と言われてる。
自分で解決したら、ものすごい財産になる。
昔のわたしには、ブレも思い込みもなかったのです。で、今はある。
ということは、原因が絶対ある。
なんだろうね。ワクワクするね。