ベトナムの中のカンボジア(クメール族)
(写真はVOVよりお借りしています)ベトナム、カンボジアと両方住んでみると、地続きの隣国同士で複雑な感情をお互いに持っているのがよくわかります。と同時に、ベトナムの中には相当数のカンボジア人が少数民族(クメール族)として、またカンボジアにも人口の1%ベトナム系の人が住んでいるのも事実です。
*2022年11月9日追加 カンボジアでは今年は行われなかった水祭りのボートレースがベトナムのソクチャンで行われました。
メコンデルタのクメール人
元々ベトナムのメコンデルタの下流にクメール族が多いと聞いていましたが、実際にベトナムのカントーやヴィンロンに旅行した時には、カンボジアのお寺を通りがかった程度で、あまり気にすることもなかったです。(まだカンボジアに住む前だったので、そこまで関心がなかったのかもしれません)
ベトナムに住むクメール族の子供にクメール語を教える取り組み
VOV(Voice of Vietnam, ベトナムの声)日本語サイトでは、ベトナム南部メコンデルタに住むクメール族の子供たちにクメール語を教える取り組みを紹介しています。
カントーなどのメコンデルタのクメール族は、学校ではベトナム語、家ではクメール語を話すけれども、クメール語を習う場はなく文字も読めない・書けない人が多かったそうです。「話せるけど文字は書けない」子供が文字を習うとものすごい速度で吸収していくのは、母語でも第二言語でもよくわかります。
もしかすると、国際バスのバイリンガル乗務員はクメール族なのかもしれない
カンボジア←→ベトナムの国際バスの会社は多くがベトナムの会社で、カンボジアに支社があるようなケースなのですが、ドライバーや乗務員はベトナム語もクメール語もネイティブで、少しの英語も話します。いつもすごいなと思っていたのですが、元々このメコンデルタのクメール族のように子供の頃から両方の言語を使っていた人なのかもしれないと思いました。
ベトナムを旅行した中でも、メコンデルタはとても良い印象でした。ご飯がとてもおいしい、人が優しい、水上マーケットがとても面白い(カントー)などです。次回訪れた時には、さらにカンボジア文化にも触れてみたいです。
ホーチミン10区のカンボジア市場
こちらも行きたいと思ってまだ訪れていない場所なのですが、10区にクメール系の人が多いカンボジア市場があるという話は時々聞きました。
クメールルージュから逃れた家族が立ち上げた市場
VN Expressというベトナムのサイトに、市場の由来が説明されていました。
この記事を読むと、នំបញ្ចុក(ノンバンチョック)がBún Nam Bo Chóc となっています。 Nam Boはブンボーナムボーのナムボーで「南方 =カンボジア」でないかと思います。នំはBúnになるのかな。ブンにしては細いが、ベトナムではBúnになってしまうのでしょう。
また、アンコールワット近くのトンレサップ湖の魚の干物や、カンボジアのバインミー(នំបុ័ងノンパン)も紹介されています。カンボジアから訪れると不思議な気持ちになるかもしれません。
【追加】カンボジアでは中止の水祭りのボートレースが、ベトナムで行われていました
私は2019年の11月にたった一度だけ訪れた、プノンペンの水祭りのボートレース。驚くほど盛り上がり、スピードも速く格好良かったです。
Sóc TrăngとTrà Vinhで想像以上にクメール族の存在感があるようだ
カンボジアのボートレースは2020年、2021年はコロナで行われませんでしたが、今年は(恐らく)日程がほぼ同じのASEANサミットのホストになったことが理由で中止でした。コロナ以前も数年に1回しか開催されないとのことで、2019年に見られたことはラッキーでした。
今年こそはプノンペンで開催されると思っていたのに残念でしたが、何とベトナムのSóc Trăng(ソクチャン)では毎年クメール族によるボートレースが開催されているようです。下は2022年11月8日の映像です。
これは驚きです。知りませんでした。かなり盛り上がっていますし、ボートレース用?の立派なスタジアム風の観客席もあります。បុណ្យអុំទូក(Bon Om Touk)がベトナム語だとÓóc om bócになっていますね。
ベトナム語Wikipediaにもこのお祭りのことが載っていました。毎年旧暦10月の満月の頃に行われるのですね。月の満ち欠けは今までは気にしていませんでしたが、今年は皆既月食が11月8日にあったので、水祭りと重なり印象深かったです。
来年はもしタイミングが合えばこの期間にソクチャンに行ってみたいです!
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