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【遺跡探訪54】巨大な涅槃像でもあったバプーオン(Baphuon 1060年/16世紀)

11月9日、カンボジアの独立記念日で祝日だったので、前回大雨で門さえくぐれなかったバプーオンにもう一度挑戦しました。


アンコールワット横の「タ・プローム・ケル」の修復が進んでいました。

ジャヤヴァルマン7世の作った102の施療院のうちの一つだそうです。この施療院巡りもしたくなってきましたが、キリがないですね。一体いくつ遺跡があるんでしょう。お遍路巡りの気持ちになってきました。
下の写真は5ヶ月前(5月)の様子です。

明け方、雨が降っていましたが、今日はもうお天気は大丈夫そうです。アンコールトムの南大門は観光客だらけでした。南大門を通るのに渋滞も。

バイヨンは第一回廊南面のレリーフに人が集まっていました。ここ面白いんですよね。トンレサップ湖でのクメールとチャムの壮大な戦いのレリーフです。

さて、バプーオンに着きました。バイクは誘導され、いきなり第一回廊の方まで連れていかれてしまいました。本当は、空中参道を正面から歩きたかったのですが…。

ここじゃない

空中参道は、最後に歩くことにします。

前回、気がつかなかったのですが、妊婦さんと子供はバプーオンは入れないのですね。妊婦さんが、というよりお腹の子供も含めて子供が宗教的に入れない場所なのかもしれません。

長い空中参道

第一回廊より、ライブラリー

第二回廊へ。かなりの急斜面です。

見どころ1 第二回廊の東西南北門の彫刻

南門の彫刻が一番すごいと言われていて、前回も訪れましたが、今回は時間もあったので東西南北全て見ることができました。

ここに来るたびに、ヒンドゥー教の神話の知識がいるなあと思うのでした。「神様がたくさんいて、訳がわからない登場人物や話の流れがある」イメージなんですが、実際どうなのだろう。

第二回廊を歩いてみます。ここは初めて。

北門は外に出られなかったので、内側から何とか写真を撮りました。北側は日に当たらないからか、黒ずんでいます。

屋根はあったりなかったりします。

この眺めがいいですね!杭みたいなのは、何だろう?

東門まで戻ってきました。

さらに上に登るために第二回廊の同じところをもう一度通ります。

頭に矢が刺さって飛んでいるシーン…

見どころ2 第三回廊からの眺め

かなりの高さのため、アンコールトムを見渡すことができて、壮観です。


警備のおじさんはTictok見てました。

一番高い部分まで登ることはできませんでした。現在のピミアナカスと同じく宗教行事で関係者しか登れないのかもしれません。

床の模様も素敵です。フレンチヴィラなどのタイルも、ここからデザインのヒントをもらっているのかもしれません。

見どころ3 16世紀に後から彫刻された涅槃蔵

ガイドブックには小さく書かれていたので、前回は気付きませんでしたが、Reclining Buddhaと書かれていました。どうしてここに?と不思議に思いながら、裏(西面)にまわってみると…

えええっ!近目ではわからなかったのですが、巨大な涅槃蔵(寝ている仏像)です。作りかけでストップしてしまったようで、顎と鼻だけ微かに見えます。

涅槃像というよりも、これはガリバー旅行記のようです。

史上最長の修復

ユネスコのデジタル資料 The Baphuon Story of a renaissance によると、20世紀初頭にアンコール保存修復プロジェクトが開始され、2011年に修復が終了し一般開放されたそうです。

The Baphuon: story of a renaissance

上記のリンクの記事を読むと、100年以上の気が遠くなるような年月をかけてバプーオンの修復は行われ、何度も様々な危機に見舞われたそうでした。

バプーオンの発掘・保存に努めたJ.Commaille氏が1916年に亡くなった後、バプーオンは1943年に北壁が崩壊、1953年に東壁が崩壊。1960年にアンコール遺跡保存は再編成して、数百人の有資格者の職人によって基礎を補強するプロジェクトを始めたが、1971年に内戦悪化で中断、1975年には60年代にまとめられた資料が略奪されてしまった。立体的なジグソーパズルの説明書は永遠に失われてしまった。

The Baphuon: story of a renaissance

この後、1995年にやっと修復は再開され、2011年に公開されたのでした。

西門の前では、地元の人が昼寝していました。

西から見たバプーオン

見どころ4 やっぱり空中参道

西から一旦外に出た後、周囲をぐるっと回って東門に出てきました。
この空中参道!やっと歩くことができました。とても気持ちいいです。

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