自分に合う精神科の先生との出会い

今日は温かいお茶を淹れて桜餅を食べました、ななしのナナコです。
桜餅は道明寺が好きです。桜の葉っぱの塩気が、甘さを引き立ててまた美味しいんですよね。
うつで落ち込んでいるときは、季節の移り変わりを気にする余裕が全くありませんでした。最近は、少しでも季節のイベントに乗っかって楽しめるようになって、うれしいです。

私が今通院している病院の主治医の先生との出会いについて書きます。
私は大学病院の精神神経科に通っています。
大学病院というと、急性期で病状が重い方とか、体の合併症がある方とか、その病院に入院歴のある方とかしか診てもらえないのでは？というイメージがあります。

私の場合は、なぜそこに通うことになったかというと、少し特殊です。
実は私は新卒で、その病院で働いていたのです。でも1年目の冬くらいに体調を崩すようになって、それがストレス性の症状だろうということで、上司から精神科の先生を紹介されたのです。
それからもう７年くらい、ずっとその先生の外来に通っています。

７年というと長いですから、はたして治療の効果は出ているのか？と聞かれることもあります。
でも私は今の先生が一番自分に合っていると思います。

まず、患者さんの全体像を見抜く力のあること。
初めて診察してもらったとき、気分の落ち込みとか、なぜか吐いちゃうとかそういう症状を伝えました。
症状だけでなく、家族歴や私の生い立ちを聞かれて、家族と折り合いがよくないこと、家族と離れるために上京して今の仕事をしていること、幼少期のことなどを簡単に話しました。
すると「これは、根深いぞ。」と先生が言ったのを覚えています。
私の症状が、職場のストレスだけからきているのではなく、存在を否定されて育ったことや、自己肯定感のなさが背景にあると見抜いてくれたのです。
その時私は初めて、誰にも言えなかった生きづらさを、わかってくれる人がいるんだ、と思って泣きそうになりました。

次に、診療経験が豊富なこと。
精神科入院病棟の副責任者をやっているほどの先生なので、今までにいろんな経験をされています。
例えば薬の処方一つとっても、私からすると、薬の効果はどれも「気分を落ち着かせます」とか書いてあって、何が違うんだろうと思います。
先生は、この薬は、この症状のために処方するとしっかり説明してくれるし、なるべく多剤併用にならないよう調整してくれます。
こういう患者さんにはこの薬をこの量で、という、今までの経験にのっとった処方の知識をたくさん持っている先生のような気がします。
最新の薬も柔軟に試してみる姿勢があり、その点でも信頼できます。

そして、病気を見るだけでなく、一人の人間として私を見てくれるところ。
これは先生の人格がなせるわざだと思います。
医師は、症状を治すことが仕事なので、症状や病態に重きを置きがちです。
もちろん症状の軽快が私にとっても目標ではあるのですが、
先生は私の性格や、今までの生い立ち、今後どういう生き方をしていきたいか、そういうことを総合して考えてくれたり、話を聞いてくれている気がします。診察室の中だけで終わりの関係ではなくて、診察室の外での、生活している私についても、アドバイスをくれます。
先生のこの姿勢が、私自身が病気にとらわれうつ病をアイデンティティーとしてしまうことを防いでくれています。うつはあくまで私を取り巻く一部分でしかなく、私は私なのだと思える手助けをしてくれています。

私がこのような先生に巡り合えたのは、本当に幸運としか言いようがありません。この先生に出会う前に、いくつかメンタルクリニックに行ったりもしましたが、あまりピンとこず、続きませんでした。

自分に合う先生がなかなか見つからないと、治療もうまくいきませんよね。
これは一つの提案でしかないのですが、今通っている医師とうまくいかないとき、その先生とつながりのある先生を紹介してもらうといいかもしれません。
医師は意外と横のつながりがあって、出身大学が一緒とか、元々いた大学病院時代に一緒だった先生とか、そういうツテがあるものです。
なので一つの病院で相性が合わなくても、諦めず、別の病院を紹介してもらうと少しでも状況が良くなるのではないかと思います。

今日は、精神科の先生って３分診療の先生もいるけど、こういう先生もいるよ～という気持ちで書きました。
もちろん私に合う先生というだけで、万人にとって「良い先生」ではないと思います。
でも、今つらいとかしんどいとか、困ってると感じている人たちが、少し病院に行ってみようかなという気持ちになれたらいいなと思います。

今日も昼間は大分暖かかったですが、まだ寒暖差がありますね。鉢植えの桜などが、少し早めに咲いているのを散歩中に見かけると、心が和みます。
お花見も行けたらいいなあと願っている今日この頃です。
ではでは、おやすみなさい。