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母と泣いてあげられなかった後悔

昨日家族のことを書いてから、ずっと父と母のことを考えていて、いつもの後悔でまたいっぱいになっている。

母を思いっきり泣かせてあげられなかったこと。母と泣いてあげられなかったこと。

父が亡くなって、ナナシノユキサンは、一人でたくさん泣いた。でも、母の前ではずっとヘラヘラしていた。父の話も、全部ヘラヘラと笑い話に変えてしまった。

ナナシノユキサンが、母の悲しみに耐えられない気がした。母が強いのを知りすぎていて、そんな強い母の悲しみを見るのが怖かった。悲しみの深さがあまりに計り知れなくて、二人で泣き始めてしまったら、元に戻れなくなってしまうような気がした。ドロドロとした涙が果てることなんてないような気がしたし、泣き終わって、また生活を始めることなんかできない気がした。母とナナシノユキサンの関係まで、変わってしまう気がした。

母は、「ユキたちが笑っていてくれたから、支えられた」と言ったけど、本当は、母は一緒に泣きたかったんじゃないかな。強い母は、たぶん一人で大声で泣いたりできない人だ。一緒だったらタガが外れて泣けたかもしれない。それなのに、ナナシノユキサンは、泣く隙を与えなかった。怖くて、意識的に、強い母を押し付けてしまった。

母は、ちゃんと泣けたのだろうか。父を送れただろうか。


10年以上たった今でも、この後悔をしている。

でも今でも、まったく同じ恐ろしさで、一緒に悲しむことをできないのだ。



でも、この後悔だけは、母にも兄にもパートナーにも友人にも、どこにも打ち明けられずにいたから、記せる場所ができて本当にホッとしている。

以上、ナナシノユキサンでした。

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