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ヒプノシスマイク「そうぎゃらんBAM」とSOUL'd OUT因子について。/2019年11月26日


マジで無限に聴いてる
キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』の新曲が公開された。

「そうぎゃらんBAM」。
ってなんだよ。なんなんだよ。


くそヤバい。


ダメだ。脳がバカになってる。語彙力が死んだ。
この歌詞を聴き取ることが不可能な、というか、歌詞をまともに発音していたらベロがもつれ死ぬこの感じ――。

まちがいない……。SOUL'd OUTDiggy-MO’だ。

「そうぎゃらん BAM」/波羅夷 空却(CV.葉山翔太)
作詞・作曲・編曲:Diggy-MO’

SOUL'd OUTとは、00年代から10年代初頭まで主に活躍した3人組ヒップホップグループである。
2014年のライブをもって、惜しまれつつ解散した。

メンバー は、

・Diggy-MO'(ディギー・モー、Main MC)
・Bro.Hi(ブラザー・ハイ、Human Beat Box/MC)
Shinnosuke(シンノスケ、Trackmaster)

なんで、シンノスケだけゴリゴリの日本名なんだよ。

代表曲は、『焼きたて!!ジャぱん』の主題歌にも起用された、これだろうか。


すごい。

異次元のキャッチーさ。まったく聴き取れないラップ。
ほぼ全曲で、SOUL'd OUTはこのスタイルを愚直につらぬいている。

ぼくは彼らと中学生の時分に出会った。
当時、福山雅治とコブクロを愛聴する純真な音楽リスナーだったぼくは、兄貴の部屋から漏れ聞こえる「ア アラララァ ア アァ!」(※1)に度肝をぶち抜かれた。

※1:Diggy-MO’が息をするかのごとく使うフレーズ? かけ声? 他アーティストへの客演の際も、容赦なくアラララァしながら入ってくることを、筆者は「ア アラララァ ア アァ介入」と呼んでいる。ソレスタルビーイング。

ラップミュージックすらまともに聴いたことない多感な中学生にとって、SOUL'd OUTはあまりの衝撃だった。
魅了されるな」というのが、無茶な話であった。

以降、ぼくはSOUL'd OUTを熱心に聴きはじめた。

・およそ正気ではない歌詞


ぼくのnoteを読んでくれている人たちはおわかりかと思うが、ぼくは音楽を聴く際に、歌詞を重視している

ということで例のごとく、SOUL'd OUTの歌詞も見てみよう。
とりあげるのは、「TOKYO通信〜Urbs Communication〜」だ。

ちなみに、Diggy-MO'自身は、この曲を「SOUL’d OUT史上一番クオリティの高い曲。音楽好きの人ならば、これの凄さがわかんない奴は駄目。以上。」と評している。

自信があまりに、ア アラララァ ア アァ!(※2)だ。

※2:「過剰」の意

では、どうぞ。


どうだろうか。

とりあえず、冒頭の歌詞を掲出する。

あっぷあっぷ UP AND DOWNで
HOLD OUT
Dtrrrrrrrr! つないで東京通信
This is D I'm a commander of S.O.
α系、people create

…………。

……………………。

…………………………………………は?

すごい。まったく意味がわからない。
歌詞分析をするうえで、なんの取っかかりもないという事態に、はじめてぶつかった。
つかまるクリフハンガーが、ゼロである。

しかも、これがおよそ人間業とは思えない高速ラップで連射される。
ラップ機関砲。この世界に存在していい言葉のエントロピーの総量をDiggy-MO'とBro.Hiのふたりで、大幅に消費している。
母音と子音の境界線は融解して、言葉と言葉はどろどろに溶け合う。

「あっぷあっぷ UP AND DOWNで」なんて「あっぷぅあっぷえんでぇほーどぅおん」くらいにしか聴こえない。

そして始終、この調子である。ほぼ全曲
残るのはただひとつ、「耳の気持ちよさ」だけである。

したがってSOUL’d OUTを聴くときは、ぼくは「聴くドラッグ」として向き合っている。
なんか結果的に褒めているみたいになった。いや、べつにいいのだ。
なぜならぼくは、SOUL’d OUTが好きなのだから。

・爆発するSOUL’d OUT因子


SOUL’d OUTの最大の特徴のひとつは、「定期的に聴きたくなる」ことだ。
この再帰性たるや、すごい。

お聴きのとおり、この「聴くドラッグ」成分は、売人・Diggy-MO'とBro.Hiからしか購入できない。
ジェネリックも、代用ドラッグも存在しない。

つまり、SOUL’d OUTはSOUL’d OUTからしか摂取できない。
自分でもなにいってるのか、わからなくなってきた

しかも、SOUL’d OUTは異常な中毒性があるので、いきなり――なんの前触れもなく、ほしくなるのだ。禁断症状である。
ぼくはこの状態に陥った人間を、「『SOUL’d OUT因子』が体内に埋め込まれている」と表現している。

「SOUL’d OUT因子」は、とても厄介だ。
ふだんは大人しく眠っているのに、突如として発火する。

たとえばそれは、今回のようにDiggy-MO'が楽曲提供した場面だったり、声優・竹達彩奈と共演したタイミングだったりする。

なにしてんすか、Diggyさん……。

というか、マジでノーきっかけで、因子が火を噴くことも、しばしばだ。
なので、ぜひみなさんもSOUL’d OUTを聴いて、「SOUL’d OUT因子」に火をつけてください。

そして、ぼくと一緒に「キャリア持ち」になりましょう。

ア アラララァ ア アァ!(※3)

(ア アラララァ ア アァ!)(※4)

※3:「では、また」の意。
※4:「(終わり)」の意。


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