言葉に飲み込まれる
楽しく過ごすコツは、他人の悪口や愚痴、そういったネガティブなことは思っても口に出さないこと。
周りから明るいとか、いつも楽しそうとか、悩みがなさそうとか、そういうことを私はよく言われる。それ自体は嬉しいんだけど、私という人間自身が本当に明るく、楽しく、悩みなく生きているかというとそうではない。ただ、明るく楽しい話しかしないようにしている。悪口や愚痴は言わない。言う時間が無駄だから。
気に入らない上司がいるのなら、その人を失脚させる楽しい計画を立てるし、つまらない仕事が嫌ならそれを楽しい仕事に転換させる方法を考える。そうすると大抵のことは楽しめる。私は楽しむことについては天才なのかもしれない。
一見嫌なことでも、その逆境を楽しむような口ぶりで話しているとなんだか本当に楽しくなっていくような錯覚に陥る。飲み込まれる。私自身、そうやって味付けしなくても楽しいことが何だったのか、自分でもよくわからない。ナチュラルに楽しいことは日々減っている気がする。
仕事のために、自分の思想にはなじまない思想に関する記事ばかりを書いている友人がいた。彼は思ってもいないはずだったその思想に徐々に侵食され、いつしかその思想を支持していた。もしかしたら、仕事で触れるうちにその思想の良さに気が付いたのかもしれない。でも、記事として自分の言葉にすることで、言葉に飲み込まれたんだと私は思う。
旦那の愚痴ばかり言う人がいる。その子は言葉に飲み込まれ、旦那への愛を自ら削り、その削れてやせ細って剥き出しになってしまった芯を狙って来る輩がいるとも知らずに。不倫、離婚、シングルの出来上がり。
最終的にそうなるのはいい。でも、言葉に飲み込まれてはほしくない。飲み込まれず、冷静に相手を見て。