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就職活動の話

就職活動には結構苦労した。それは私の能力が周りの人と比べてもちょっと劣っていたとか、出だしが少し遅かったとか、居住地と就職希望地が離れていたとか、色々と不利な状況はあった。だから、いよいよ本当にまずいなと思ってからは学校の先生を頼った。頼りまくった。

結果的に入社したのはその学校の先生が紹介してくれた会社だ。正確には学校の先生のゼミの後輩の取引先の会社。いわゆるコネ採用というやつ。
コネ採用ってなんか不正みたいだし、自分の実力不足みたいでかっこ悪いし、どうなのかなって以前は思っていたんだけど、いざコネ採用されてあとから振り返るとそんなことはなかった。
コネ採用って採る側としてはかなりポジティブに働くことが多いと思う。
親が就職先に困った子どもをねじ込むのは別として、学校の先生の紹介とか、親子関係以外のコネ採用では本当にダメな人を紹介することはまずない。だって、ダメな人をおすすめして就職させたら自分の株が下がるし、将来また他の学生の就職を斡旋しようとしたときの弊害になる可能性もあるんだもの。

コネ採用が良いことだということに気がついたのは自分が採用を担当する機会を頂いたときだった。当時は経営企画や法務を担当していて、これらの経験がある人は少なく、なかなか採用市場にもいい人材は現れない。そんな中、知人から紹介を受け即面接。紹介してくれるくらいだから、少なくとも変な人材ではないだろうと思ったけど、経歴はやや微妙だった。でも、面接してみるとコミュニケーションも良好、これから活躍できる可能性を感じて内定を出した。見事に蹴られて大手の会社に行かれてしまったけど…。

もう1人内定を出した人がいた。
その人は本当に特殊で、私の採用方法は主にヘッドハンティングや紹介だったため、会社のウェブサイトには経営企画や法務を募集していることを掲載していなかった。それにも関わらず、法務を希望して問い合わせをしてきたのだ。これは率直に言って嬉しかった。わざわざ問い合わせをしてくれるほど弊社に興味を持ってもらえたのかという気持ちが強かった。
早速面接をしてみると、非常にいい人で、能力も高く、コミュニケーションも良好だったので即内定。しかし、こちらも見事に蹴られてしまった…。
もし就活している方が本当に行きたい会社があったら、採用募集していなくても熱意を伝えて問い合わせすれば、人事なり採用担当なりは会ってくれることも結構あるのではないかと思います。

最後にもう1人内定を出した人がいた。
これは転職エージェントの紹介だったかな。
正直経歴、能力は微妙。コミュニケーションも今ひとつ。でも、採用した。なぜか。本当に人が必要だったからだ。言い方は悪いけど、できる可能性がある人であれば誰でもよかった。幸い内定は蹴られず入社となり、私は彼の指導係となった。

指導していたところ、彼は真面目で素直な性格であることがよくわかった。これはちゃんと指導すれば成長できそうだなと期待した。でも、これを勉強したほうがいいよっていろいろ勧めてもなかなか勉強しないし、真面目なのか何なのかちょっとよくわからなくなった。真面目系クズってこういうことなのかな。
私は短期間でできうる限り彼に指導し、1社目の就職先を退社した。

コネ採用は良い。変な人はそうそう来ない。ただし、紹介してくれた相手によってはとても断りにくいという問題もある。だから、コネ採用の機会を得られるよう変な人にはならない、就職先を紹介してもいいかなと思ってもらえる程度の能力と、助けてあげたいと思ってもらえるキャラクター、そしてコネ採用でも何でもいいやと思えるプライドが大切なのでした。結果論に過ぎませんが。

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