見出し画像

小さな会社のための5分でわかる『逆襲の広報PR術』要約まとめ

こんにちは!ガレージファクトリーの七瀬です!

新米広報として約2ヵ月が過ぎ、ここまでTwitterやnote、広報の本を読んでたくさん吸収してきました。

その中でも、私がおすすめしたいのが野澤直人さんの『逆襲の広報PR術』です。

広報PRに関する本は数多く出版されてますが、そのほとんどが大企業向けになっています。こちらの本はプレスリリースするネタがまだないスタートアップやどうにかしてメディア露出を増やしたいベンチャー企業など、小さな会社向けの広報PR術が詰まった内容となっています。

・小さな会社にとって広報PRは多くのメリットや役割があり、あらゆる経営課題を解決する
・大企業の広報PR術が必ずしも正解とは限らない
・プレスリリースの一斉配信は情報価値をゼロにしている
・自社だけのメディアリストは広報マンにとって「宝」
・広報は一社員ではなく、経営者視点が必要

今回はそんな「逆襲の広報PR術」を自分の勉強も兼ねて要約してみました。未経験広報さんや中小企業でこれから広報活動をしようと思っている人はぜひ読んでみてください。

小さな会社『逆襲の広報PR術』まとめ

画像1

|小さな会社は2つのことだけを考えればいい

小さな会社がすべきことはまず「広報PRによってブランドをつくること」「売り上げを伸ばすこと」この2つです。

広報PRによってブランド力を高めることができれば、売り上げは後からついてきます。会社が注目されれば、顧客はもちろん、働きたい人・出資したい人・パートナー企業など会社経営に必要な『ヒト・モノ・カネ』の全てを集めやすくなります。

そのためまずは、広報PRによるブランドづくりから取り組むことが重要で、低コストで様々な経営課題を解決することができます。

|広報PRの様々なメリットと役割

①小さな会社の信用力の低さをカバーできる
②メディア露出の効果は営業でも有効
③他社比較が発生せず、指名検索が増える
④潜在顧客にきっかけを与え顕在顧客を増やす
⑤社員のモチベーションを上げ離職率を下げる
⑥優秀な人材を採用することができる

①小さな会社の信用力の低さをカバーできる

会社の規模が小さく、実績がないベンチャー企業やスタートアップにとっては「いかに自社の信用力を高めるか」が課題です。

信用力獲得には「広告」ではなく「報道」で露出することが大切であり、信用できる第三者(メディア)によって発信された情報の方が会社の信用力向上に大きな効果があります。

この信用力の獲得は、営業・マーケティング・採用・リスク対策・資金調達・経営のあらゆる場面に対してプラスのインパクトをもたらすため、最も重要な一歩と言えます。

②メディア露出の効果は営業でも有効

新聞・雑誌・テレビのマスコミ露出は一瞬ですが、それを営業の際に補足資料として積極的に使用すると、相手が「客観的な正しい情報」と判断するため成功率を底上げする効果があります。

メディアで報道された実績をその場だけで終わらせず、二次利用していくことが大切!

③他社比較が発生せず、指名検索が増える

例えば「海外留学」と検索したときに様々な企業が1ページ目に表示されるため、その段階で他社比較が始まってしまいます。

しかし、継続してメディア露出が増えていくと社名で検索されることが増え、検索結果のトップにはもちろん公式HP。広報PRでは、こうした指名検索を誘発する効果をもたらし、他社比較の発生を防ぐことができます。

④潜在顧客にきっかけを与え顕在顧客を増やす

まだアクションを起こす段階ではない潜在顧客は何かきっかけさえあれば、顕在顧客になる可能性が期待されます。

このきっかけを広報PRで行い、繰り返し触れることでそれまで全く興味がなかった人も徐々に興味を持つようになります。

こうして広げていくことで「ブランディング」を確立し、自社だけのファンを拡大していくことにも繋がっていくのです。

⑤社員のモチベーションを上げ離職率を下げる

同じメッセージを社長が発信するのと、第三者が発信するのとでは印象が大きく違います。

社長が実績やビジョンを力説するより、メディアで「注目の企業」「急成長中の企業」として取り上げられた方が自分の会社はすごいんだと社員は感じます。

広報PRには社内の意思の不一致を防ぎ、それによる離職者が出るのを予防する効果もあるのです。

⑥優秀な人材を採用することができる

継続してメディア露出が増えれば採用活動もやりやすくなります。

メディアに掲載された実績を説明会の資料などに加えれば「実は結構すごい会社かもしれない」という印象になり、内定承諾率も自動的に上がる。大企業に比べて知名度が低い中小・ベンチャー企業だからこそ、広報PRによるマスコミ報道をつくることに注力すべきなのです。

|プレスリリースの一斉配信は今すぐやめるべし

画像2

大企業ではない小さな会社がプレスリリースを一斉配信しても取材を獲得する効果はほとんど期待できず、それどころか手間をかけてつくったプレスリリースの情報価値を損なってしまう恐れがあります。

マスコミが常に求めているのは「特ダネ」。一方、プレスリリースは【プレスリリース=公開情報=特ダネではない=価値の低い情報】つまり、マスコミからすれば「特ダネになる可能性がないゴミ情報」と同じ扱いになります。

プレスリリースの一斉配信はあくまで大企業にとっての常識であり、中小・ベンチャー企業が本当にマスコミの取材を獲得したいのであれば、むしろ「プレスリリースの一斉配信なんて今すぐやめなさい」と声を大にして言いたい。

プレスリリースはあくまで報道を獲得するのが目的であり、作成することがゴールではありません。一斉配信したことによって、せっかく時間をかけてつくったプレスリリースの情報価値を自らゼロにしてしまっているのです。

ですが、適切な方法でプレスリリース行えばマスコミからのレスポンスを得ることは十分可能です。

【プレスリリース作成の3つの基本】
①紙媒体への配信はFAXが基本、メールはNG
②プレスリリースを送る媒体は100件以内に絞り込む
③「媒体名+編集部御中」ではなく、特定した宛名を明記する

もし、レスポンスがなかった場合に大切なのが、取材にならなかった原因をきちんと検証して分析することです。

ビジネスではPDCAサイクルを回すことが重要と言われていますが、広報でも同様、きちんとPDCAサイクルを回すだけで会社の広報PRノウハウを改善していけるでしょう。

|自社のためだけの使えるメディアリストをつくる

画像3

無名の小さな会社が継続的なマスコミ取材を獲得するためのポイントは「①本当に使える自社のためだけのメディアリストを作る」「②マスコミ報道の連鎖」の2つです。

①本当に使える自社のためだけのメディアリストを作る

過去の様々なメディアでの報道を丹念に調査・分析し、自社に関連のある内容を報道をした媒体をピックアップしていきます。

例えば「海外留学」について報道実績のある媒体をチェックし、その報道を担当した新聞記者、雑誌・Web編集者、ライター、テレビ番組のディレクターなどの個人名を可能な限り特定します。

海外留学について報道した実績があるということは、海外留学を担当している可能性があり、その担当者に片っ端から電話をかけてアポイントをとっていきます。

その結果でき上ったのが「海外留学に関心があるマスコミ関係者50人のリスト」。この自社メディアリストができると、新しいサービスを出したり、取材してほしいネタが出たときに、リストにあるマスコミ関係者にプレスリリースを流すだけで1回につき3~5件の取材が入るようになりました。

全く面識のない、何に興味があるかもわからない不特定多数のマスコミ関係者にプレスリリースを配信するよりも間違いなく効果的な手法です。

②マスコミ報道の連鎖

上記の方法で自社の情報がコンスタントに報道されるようになると、自ら情報発信しなくてもマスコミから取材依頼が来るようになります。こちらからアクションを起こさなくても勝手に舞い込んでくる取材を「マスコミ報道の連鎖」と呼び、マスコミ報道の連鎖を意識的に起こせるようになると、一気に取材や報道の回数を増やすことができます。

|マスコミ報道連鎖までの5つのステップ

ステップ① 報道分析
自社に興味関心を持つ可能性のあるマスコミ関係者を探し出す
 ↓
ステップ② 電話プロモート
リストアップしたマスコミ関係者に電話でコンタクトする
 ↓
ステップ③ メディアキャラバン
マスコミ関係者と面談して、情報提供と取材依頼をする
 ↓
ステップ④ PDCA
発信する情報やメディアリストを更新しながら継続的に報道を実現させる
 ↓
ステップ⑤ 報道連鎖
マスコミ報道の連鎖を起こすことで大量のマスコミ露出につなげる

|小さな会社の広報マンは「経営者視点」を持て!

画像4

小さな会社にとって広報PRは「経営課題を解決する有効な手段になりうる」という視点があります。

大企業にとって広報担当者は、組織の歯車として機能すれば十分かもしれませんが、中小・ベンチャー企業の広報担当者は常に「経営者感覚」が求められます。

小さな会社で広報PRを担当するなら、広報PRやマーケティングはもちろんもっと経営について学ぶべきであると言えます。

さいごに・・・

私もこの本を読む前に、色々な広報PRの本を読み「広報」については学ぶことができましたが、どれも今すぐ活用できるPR術ではありませんでした。

一般的に考えられている「広報PR」は大企業にとっての常識であり、それをスタートアップ企業が真似をしようと思っても無理があります。

普通にプレスリリースを出しても見てもらえない。コストや時間、手間暇をかけて出したプレスリリースが読んですらもらえずただの「価値のない情報」として流れてしまうことを防ぐためにも、この本に書かれているノウハウを取り入れる価値は非常に大きいです。

また「広報とは?」と考えたときに、ただ新商品やサービスを配信するだけではなく、その前の段階から広報としての役割があること。そして、プレスリリースの配信がゴールではなく、プレスリリースを出した後に取材を獲得し会社のブランディングを確立していくことを見据えた行動をしなければいけないなと思いました。

これほどまで中小企業目線で書かれたこの本は、スタートアップ・未経験・1人広報と右も左もわからない私にとって参考になるものばかり。ぜひ広報修行中の方に手に取ってほしい一冊です。

すでに環境が整っている安定した大企業の広報ももちろん良いですが、私はまだ整備されていないデコボコ道や未開拓の道を切り開いていく広報を思いっきり楽しんでいきたいと思います!

そして自社で創り上げた広報のノウハウをこの本のように発信していけたらいいなとまた一つ目標ができました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

画像5


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?