3「1番幸せになってほしい人 〜不思議なオーラ編〜」①
『何かが違う!』とか『絶対に何かあったでしょ⁉︎』なんて、言っていた時期があった。
『何か』というモノが言葉にできなくて、肌で感じては跳ね返したくもなる。
私は、お兄ちゃん子だ。
最近、行動範囲が広がり1人で電車にも乗れるようになった。
笑顔が増えた私に、
「周りにいる友だちの事、絶対に大切にするんだぞ!」と、言ってくれた。
ある日の夜、
「結婚しようと思ってさ!」と、とても幸せそうな顔で言った。
私の中で、何かが止まった。
でも、目の前の時計の針は進んでいるみたいだった。
私だけがスローモーションな世界にいた。
それも束の間。自然と涙が流れた。
「おめでとう」と言って手を握った。
『何か』がやっと分かった。
中途半端な気持ちは1ミリもない。
迷いなんて1ミクロもない。
『覚悟』だった。
お兄ちゃんは『覚悟』をきちんと持ったんだ。
でもね? どれくらい前かな?
私は気付いていたよ。
隠してたつもりだったのかな?
ちゃんと分かっていたよ。
何年兄妹やってると思っているの?
そう、私はなんとなく気付いていたんだ。
何も根拠は無いけれど、不思議なモノを感じていた。
普段から優しい兄が更に優しく、どんどん穏やかになっていった。