超短編📕心の冒険
私は電車の中でいつの間にか眠ってしまったみたい。
起きた時に見ていた夢を思い出していた。
記録しておかないとすぐに忘れてしまうから。
私はメモ帳とペンを取り出した。
深い眠りの中に小さな物語があった。
私の身体の中にはもう1人の私がいる。
それは『心』という名の私。
姿は見えない、声も聞こえない。
表情さえも分からない。
そのはずなのに、頑張って叫んでいるみたい。
「もっと私の声を聞いて!お願い、もっと私を大切にして!」
私は、自分の身体を犠牲にしてでも譲れない体験をしていた…。
人を愛するということ。
その素晴らしさを知ってしまった。
だからか、自分をごまかしていた。
身体の異変に気付いていながら、心のSOSを聞こうとしなかった。
きっと大切にしなかったから、身体の症状として教えてくれていたんだね…。
ごめんね。
「少しずつでいい。誰よりも私の事を愛して。もっと大好きになって」
目覚めたら乗り換えの駅だった。
急いで降りた。
「心臓がバクバクしてる…。ふぅ…」
眠っている中、私は背景の無い不思議な夢を見た気がした。
書籍の舞台で待っています…………