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緊急ミッション : 運転免許証を取得せよ!

1ヶ月の長野県周遊を終え、ご縁があって年明けに長野県の某所へお引越しできることとなりました!ただいま絶賛お引越し準備中です。


不動産会社を通してきちんとお家を借りるのが初めてで手際が分からなかったり(パリでは個人間での物件の貸し借りも多く、礼金や手数料などがかからない上に手続きも簡単だったのです)、日本では各種手続きに実印というものが必要と分かり慌てて作りに行ったり、不動産を借りるときには保証会社なるものを通すのが主流になっているということを学んだり、生まれて初めて車を購入することになり車を買うには名義変更やら保険の加入が必要なことを知ったり、車庫証明とはなんなのかと調べたり、32歳にしてようやく日本の社会の仕組みを少しづつ学んでいます。知らないことが多過ぎて、生まれ育った街に住みながら、毎日知らない国を旅しているような気持ちです。

そして、長野県お引越し前の最重要課題が、運転免許証の取得です。


今まで車が必要な生活をしたことがなかったのですが、これからは車がなければ普段のお買い物にもことかくこととなります。せっかくのなのでお引越し前で時間のある今、取りに行っておくことにしました。

学校選び、迷いに迷いました。私はすごくケチで悩み症なのです。
というのも20万円くらいあれば免許って取れるものだと思っていたら、それは若者向けのお値段。年齢が若ければ若いほどキャンペーンが適用されてどんどん安くなる一方、歳をとっているほど必要な金額が増えるのです。

試験に落ちても追加料金がかからない安心パックなどのオプション価格も、年齢に比例して上昇。40歳以上は安心パックはつけられません、という学校もありました。お引越し前にどうしても免許を取得したいけど、短期集中プランにするとさらに追加料金がかかります。


ということで、短期集中で取れる上に、通学よりもお得な合宿プランに申し込むことにしました。

しかし合宿プランも年齢が上がるほどに価格は上昇。保証の内容も年齢が上がるごとにお粗末になります。高校生や大学生なら合格まで追加料金無しプランがありますが、年齢が上がると一度で合格しなかった場合、追加試験や追加講義料金、延泊料金がその都度かかったり。

年齢とともに値段が上がる料金表を眺めていると、高齢になるほど反射神経が鈍り、記憶力が衰え、試験に落ちる可能性が高くなるのだよと言われている気分でちょっと悲しくなります。


今まで特に老いを感じることもなく、年齢のせいで不便が生じることも不利になることもなかったのに。しみじみと年齢と世知辛い世の中について考えさせられる経験でした。

あーあ、もっと早く免許取っておけばよかったと少し後悔。でも、学生の頃は20万円というと大金で、払うことができませんでした。しかし今ならそれ以上の金額でも払えるのです。そう考えると歳をとったけれど、その分お金を稼げるくらいに成長もしたのだなと思えます。自分の年齢を祝う気持ちでありがたくお支払いしました。

そしてただいま某県某所の自動車学校の合宿所に滞在中です。


なんとまあ!驚きの連続です。
運転するってこんなにも難しいことだったとは。免許を取得するためにはこんなにも知らなければならない規則や決まりがあったとは。道路ってこんなにも情報に溢れた場所だったのか!
世の中の全ての運転できる人たちに、尊敬の念が湧いてきます。

助手席でのんびりしていた時には車の速さを体感することがありませんでしたが、いざ自分でハンドルを握ってみると時速40kmが速過ぎて、びっくりして何度もエンストしてしまいます。
こんな速度で走行しながら一体どうやって周りの安全を確認しつつ、標識・標示を確認しつつ、しかもギアを替えるなんて芸当ができるんだろう?ただ運転するだけでも大変なのに、音楽を聴いたりお喋りしながら楽しく運転できる人、マルチタスク過ぎる。


なんて驚いているのですが、2週間ほど必要な過程を受講し、順調に進むことができれば、誰でも車を運転できるようになるのです。不思議なものです。


学科試験のためにガリガリとペンを握りノートを前に勉強すると、久しぶりに受験生気分になりました。こういうの嫌いじゃありません。

学科の授業はコロナのせいか各自でビデオ学習です。ビデオを視聴中、AIシステムによって寝落ちをしていないか、他のことをしていないかをチェックされていたり、視聴中の態度をインカメラを通して講師の人たちに確認されるというのはデストピアSFチックで怖いのですが、毎回のビデオで使用される寸劇はなかなか面白く退屈しません。
寸劇の設定は、ペーパードライバーの年下彼氏と助手席に座るしっかり者の年上彼女とか、うっかりものの弟の運転を助手席でサポートするお姉ちゃんなど。なぜか多くの回で、"ミスをする男性”を”しっかり者の女性”が注意するという構図が繰り返されます。時代でしょうか。マンスプレイニング的なムードになるのを避けるためのキャラ設定なのかなあ、それとも女性は運転が下手、のようなよくある偏見に対する製作者側からのカウンター攻撃か、今ドキの空気を感じて興味深いです。

2日目からはもう実車を使った実技の練習が始まりました。初めて車を運転します。自動車ってこんなにも死角があるんですね。自分が歩行者や自転車の時にも気をつけないといけないなと改めて実感させられます。自分が身を置く立場によって、見えるものがガラリと変わります。

まだノロノロ運転を始めただけですが、実際に車を動かすのはマリオカートよりドキドキします。ブレーキはちょっと踏むだけでキュッと止まってしまうし、アクセルもそっと押さえるだけでバッと発進してしまいます。思っていたよりも繊細な力加減を求められます。ハンドルは案外しっかり回さないと回れません。全てが発見です。
車を運転するというのは真っ白な新品の体験で、毎日なにか新しい技術と知識が身について行っているという確かな手応えがあって、脳みそがひと回り若返ったように感じます。脳みそは使うと動くものですね。

教習所には制服姿の高校生もいたりして、ピチピチしていて新鮮です。教習生の名前が張り出されているのですが、読めない名前の人がいっぱいで時の流れを感じます。

合宿所に来るまでは緊張していたのですが、始まってみると思っていたよりも面白いです。このまま全ての試験を一発合格して、最短日数で卒業できますように。


それでは学科のお勉強に行ってきます!


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