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2022年に買ってよかったものは運転免許証

無事に16日間の免許合宿を終え、次の日すぐに地元の免許センターへ行って最後の学科試験を受け、晴れて免許証保持者となることができました。

合宿の初日は、運転向いてないんじゃないか、このままじゃ延泊になるかも、と焦りました。

手と足を別々に動かすのは難しいし、ギアを変えようとするとすぐにエンストしてしまいます。
学科のテキストは分厚くて、こんなにたくさんのことを覚えられる気がしません。1日に3時間も椅子に座ってビデオの講義を見るなんて、居眠りしてしまわないだろうか。

しかし免許取得までの道のりは実に手際よく構成されています。ほとんどの人がオートマチックなら14日、マニュアルなら16日で免許ができるように、そういうふうにできているのです。落ちる人より受かる人の方が多いのだと自分を鼓舞しながら続けました。

仮免許取得までは1日に2時間、路上教習が始まると1日に3時間の実技の授業があります。運転するごとにできることがはっきりと増えていきます。

そして指導員の方々のアドバイスも素晴らしかった。私には何がどうして出来ていないのか、何がわからないのかもさっぱりわからないという時にも、指導員の方々は指導のプロ。テクニックや心構えに始まり、車の大きさを理解すること、運転するときの視線の置き方、車のどこに注意するかなどなど、そんなところに気をつけるんだ!と目から鱗の、しかし的確なアドバイスをしてくれるのです。初心者がつまづきやすい部分やこちらが何をわかっていないのかをしっかりと理解されて指導しているところに深く感心しました。

お陰で日に日に、目に見えて確かに技術が向上していることを感じられるのです。

大人になってから、こんなに毎日、毎時間、新しいことができるようになり、新しい知識が増えていく2週間を過ごしたことはありませんでした。

教習所に登録したときは学生のときに取っておけばよかったなーと思ったのですが、大人になってから教習所に通う方が、新しいことが身についていく有難みをひしひしと感じられて、面白い経験になるかもしれません。


資格の勉強などをしたことがないので、このところ何か勉強したことといえばフランス語ぐらいでしょうか。
外国語というのは勉強すればするほど知らないことが増え、単語を覚えても覚えても知らない言葉が増えていくように感じます。
ある程度のレベルに達した以降は、なかなか成長を実感することがありません。無限に続くなだらかな山道を少しづつ歩いていく気持ちです。時間を重ね、歩き続けなければいつまでも見える風景が変わりません。

語学には苦手意識があって、私って記憶力悪いなー、覚えるって面白くなくて苦手だなー、と思っていました。

しかし受験勉強以来、久しぶりにカリカリと覚える勉強をしてみると、これが案外楽しいのです。
真っ新な状態から新しい知識を積み上げていく行為には、重箱の隅をつつくように分かっていない部分を補完していくフランス語の勉強とは違い、新鮮な面白さと、手軽に得られる達成感がありました。

それに運転免許証を取得するために覚えなければならないことは、フランス語を取得することに比べると圧倒的に少なく、覚えるべき内容がすでに明示されています。この有限性のお陰で、覚えていくことの楽しさを味わうことができました。


記憶力に全く自信が無かったのですが、学生さんたちが何度も学科テストに落ちるなか、全てのテストをストレートで合格することができました。勉強って若者の専売特許じゃありませんでした。

脳みそって使ってみると自分が思っていた以上に働いてくれるものだと気づくことができたのが、合宿免許に行った最大の収穫かもしれません。

ちょっとだけ自分に自信を与えてくれた16日間でした。


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