やっぱり”麻薬”が好きなのかもしれない

もちろん、麻薬というのはドラッグではない。
こんな断りから入るnoteというのもいかがなものか。

ふと過去10年を振り返ってきたときに
自分なりに駆け抜けてきたなと思った。

10年前は19歳の大学生だった。
英学科+教員コースでコマ数も多かった。
授業が9時から18時まで、19時からアルバイトして24時に帰宅。
土日も、朝9時半から夜23時まで働いて、
貯金に熱い情熱を捧げていた変わった大学生だった。

友達遊ぶことなんて滅多になくて、親友とも年に1回会うか会わないか。
どこかで、お金のもらえる目の前の仕事の方が、
友達と会えば食事代を支払う必要のある友達と会うことよりも
優先順位が高くなっていってたと思う。(最低だな。笑)

大学卒業後は、ベンチャー企業に入社。
やっぱり仕事中心で、土日も働いた。
この頃も友達と遊ぶことにあまり興味がなくて
仕事か家の往復ばかり。
飲みに行くにも上司や同僚ばかり。

一時期、渋谷に友達と週4で行ってた時期もあったけど、
本当に数ヶ月だけでブームは去った。
仕事してる自分!というのが好きだったのか。。

そして記者生活。
朝7時の電車に乗って、9時出勤し、19時まで働く。
夜勤の時は19時出社で翌昼帰宅。
「俺らの時は夕方まで働いたよ」と先輩から言われて
いい時代で良かったなと思ったりしたけど、
いや、昼でも十分大変だったよ。
台風の時は数日間泊まり込みで特番対応したり、
朝6時おきで寝たのは深夜3時という日もあった。

仕事内容の特殊さで心が躍るようにもなった。
オンエアまで15分で原稿が出来上がって、
そこから文字スーパー打ち込んで、
「オンエアまで2分だよ!!!!」
とかガヤに言われながら、階段を2階分駆け上った。
体が削れるような、どっと疲れる感覚もあったけど、
無事に送り出しを終えて、
周りと「お疲れ様!」と言い合う時の快感たるや、、痺れる。

ずっとやりたい仕事だったし、
自分の名前がテレビ画面に載ったのは
社会にいる1人として認められた気がして嬉しかった。
テレビに映らないと認められないこともないけど、
ちゃんと認識される対象なんだということに感激した。

特に記者生活だけど、
どの仕事でもすごくアドレナリンの出ることばかりで
本当に楽しかった反面、
どこか自分の生活はおざなりになってたんだなと
バルセロナに来て初めて気がついた。

生活の素晴らしさを知った、はずなのに

7月。メインの仕事は辞めて、
副業でやっていたライターの仕事だけ持ってスペインへ来た。
運よく、最初に知り合った日本人の方に紹介してもらった仕事に
渡航後1週間ほどで就けた。
最初は、11時〜14時、16時〜19時の合計6時間の就労。
これまで1日24時間近く働いたこともあったので、
恐ろしいほど「ゆるシフト」笑

このタイムスケジュールで持つことになったのが「自分の時間」。
当たり前だけど土日は休みだし、平日も朝晩、空き時間がある。
有り余るような時間を突然手にした当初は、
本当、どうやって使ったらいいか分からなくて、
とりあえず動画を観てみた。
最初はめちゃイケのガリタ食堂を観漁ったなぁ笑

それでも余る時間。
どうしよう、と考えた結果、
人と会うことを始めてみようかなと思った。

記者生活の話に少し戻るのだけど
激流の中で知ったことは
「人と会う、つながる」ということが
大きな財産になるということ。
いろいろな嫌なことはあったけど、
元々人見知りで、誰とも会わない生活を送ってきた私に
これを教えてくれた記者という仕事には
本当に感謝しています。

インスタやTwitter経由で知っていた人に声をかけて
2、3人で会ってみたり。
そこから輪が広がって、別の人と出会えて、
ブランチしたり、ディナーしたり、お茶したり。
たまに買い物行って、スペイン人の文句言って、
日本時代に何していたのかとか話すようになって
それぞれ人生があって、
いろいろな想いを抱えてスペインに来ているんだなと知った。

「バイバイ」と別れて、
近所のスーパーで食材買い込んで料理して、ご飯食べて。
また朝起きて、パン焼いて、コーヒー飲んで、たまにスペ語勉強して、
時間になったら出勤。
たまにライターの仕事をする。
そしてまた人と出会う。
勤務外に呼び出しの連絡が来ることもなければ、
遊びに行くのに仕事用のPC持っていくこともなくなった。

生活してる!と感動した。
何か早い流れから、岸に上がれたような感覚。
高校時代ぶりに陸地を歩いた気分で、
ウキウキルンルンが止まらない!
高校当時よりもお金は多少持っているから、できる幅も広い。

輝くような生活が続くこと、半年。
途中、仕事が増えたりして波はあるけど、
相変わらず自分中心の生活を送れている。

これは大変喜ばしいこと!な、はずなのに・・・
恐ろしいかな、私は激流を恋しく思っている
あんだけ大変で、毎日自分の時間もなく、
お昼も歩きながらおにぎり食べてたほどなのに
そんな日々が恋しくて仕方がない。
「ああ、いま電話で”中継だ!!!””現場いけ!!”とか来ないかな〜」
とか妄想し始めてる。

麻薬のような日々を過ごしてきた時間が長すぎたのか、
今の生活が物足りない。
こんなふうに思うなんて、予想してなかったなあ。
もっとアドレナリンの出る生活がしたい。
病気かよって感じだけど、
毎日それを思ってる。
いざそのアドレナリン出まくりな日々が始まったら
始まったで、今の”いい生活”に恋しさを覚えるのだろうけど。

手応えのある、熱い仕事がしたい。
その麻薬を自分で作ったり、量を調整できて行けたらいいのに。
何かそのヒントを探っていきたい。

29歳になりました。ので、目標はここにします。

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