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「病」との闘いのはじまり

前回の記事で、高校1年生の時父が亡くなったことで、少しだけ人生のレールを外れた、と書いた。

それまでの私は、逆にものすごくしかれたレールの上を走ってきた子供だったのかなと思う。

割と真面目な性格なので、いわゆる「規則」というようなものは基本的に守った。学校では生徒会のようなものに所属し、成績も学年トップ10には入るように努力した。また所属していた運動部ではキャプテンを務め、文武両道を目指していた。

家庭も多分円満な方で、父と母は絵に描いたような仲良し夫婦。高校生になってすぐの頃、父と母が玄関でいってらっしゃいのちゅーをしている場面を目撃してこっちが赤面したくらい。(笑)父には、お母さんが1番、子供たちは世界で2番目に好きと、らいおんハートの歌詞ような事を言われて育った。

ご近所さんにはよく、幸せな家庭でいいね、と羨ましがられた。反抗期もあまりなかった私は高校生になっても父親と仲が良く、ダイエットだといって毎週末屋内プールに通って一緒に運動をしたりしていた。

そんな毎日が、ずっと、続くと思っていた。

ある時、父が体調を崩した。といっても、微熱が続いて少し咳が出る、といったくらいの症状。仕事が忙しくなかなか病院にいけないから、これくらいなら放っておけば治る、と言っていたのだが、あまりにも長引くので、ある日やっと仕事を休んで検査をしてみることになった。

この時はまだ、心配しつつも、疲れが出たのかなあ、くらいに思っていた。


学校から帰ると、母が少し慌てている様子でこう私に告げた。

「パパ、大きな病院で精密検査が必要みたい」

何やら、白血球の数値が通常より高かったらしい。

なんとなく、心がざわっとした。

これが、闘いのはじまりだった。

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