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座談会1.気遣いってどこまでするべき?前編

今回の記事は、座談会形式です!!!

大まかなテーマはタイトルの通り

「気遣いってどこまでが気遣いとして相手を思いやる行為で、どこからが偏見や不快感を感じさせる行為になる?」

といったことなのですが、これは3人だけで喋っていた内容をどうせなら記事にしちゃおう!みたいな経緯で作ることになった記事なので、LGBTQの話や障がいの話、その他諸々、割と話がとっ散らかってます。
友達が喋ってるのを聞いてるくらいの感覚で読んでもらえたら嬉しいです。

※この記事の内容は、3人の人間の個人的な意見や考え、価値観のみで構成されています。
全ての人がこうあるべき!とか、これが正しい!といった意図は一切ありません。

よろしくお願いします!


参加メンバー紹介

元女性で現在は男性として生活しているFTMトランスジェンダー。自身の生きづらかった経験を乗り越えて身につけた『自由になる為の物事の考え方』を発信。本来の自分を取り戻して人生にくつろげる人をどんどん増やしていくのが密かな野望である。パートナーはアケミ。
けんじのパートナー。地球星のルールや常識に合わずに生きづらい人生を送ってきたが、ようやく人間を乗りこなせるようになってきた30代女。物事を雰囲気でしか見ていなく適当である。大阪京橋の頭おかしい店Barケミーキラーのママです。


早速テーマに入っていこうと思うんやけど、まず何でこういう話になったのか。

わたしには障がい者の弟がいるというのもあって、物心ついたときから差別だったり偏見だったり、っていうことに対して向き合う機会が多かったのね。
で、自分の中ではどんな個性を持った人に対してもそんなに偏見を持たないで生きていたつもりだったんだけど、あることがきっかけで"自分の中の偏見"みたいなものの存在に気づいてしまって。

それが、20歳ちょいくらいのときに、あの当時ってラブホ女子会みたいなの流行ってたの知ってるかな?女の子同士でラブホで遊ぶっていう。
そのノリで、レズビアンと公表してた女の子の友達とラブホ行こー!ってことになって、わたしはなーんにも考えず遊びに行ったの。
それを当時の彼氏に言ったら「その子が女の子やとしても性的対象が女なんやったらそれは行ったらあかんのちゃう?」って怒られて、確かに軽率だったと思った。
そこで、自分が無意識に"女の子同士だから何の問題もない"と思ってたことに気づいたのね。でもこれってレズビアンの子からしたら、ある種偏見だったんじゃないのかなって。

そこから気にしないことと気を遣うこと、偏見って一体何なんだろうと混乱しちゃって、ずっとモヤモヤしてたんだけどそれを二人に話したんだよね。で、この場に至ったと。

そこからやね。

うーん、まず、その件に関しては確かにその彼氏の言ってることも分かるし、青山の言ってることも分かる。
青山はそんとき、その子がレズビアンであることを知ってはいたけど意識してなかったんだよね。それが偏見だと俺は感じなかったかな。

アケミはそういうことがあったとして、ストレートの女友達とレズビアンの女友達やと違ってくることってある?

うん、違ってはくると思う。その人への見る目とかは変わらんよ、その人はその人やし。

でも、うーん、例えばラブホに遊びに行こうってなったとき…。
相手が自分のことを性的に見てるかどうかって男女問わず何となく感じたりすると思うねんけど、分からないときは結構ストレートに聞いちゃうかも。「わたしのことはどういう風に見えてるのかな?」って感じに。

ある程度付き合いのある友達やともう性的に何も無い友達!って分かってるけど、初対面でとか、相手のことをあまり知らない状態だったら聞くかな。

なるほど。

俺が思ったのは、そもそも男と女の間でその性的対象かどうかっていうのが取り沙汰されすぎじゃね?ってこと。
よくあるのがさ、ストレートの男性がゲイの男性に「狙わんといてやー」って言うやつ。

ああ、めちゃくちゃよくあるよね。

そう。それって「この人はゲイなんだ」っていうことをかなり意識してるってことやんな。
ひとりの人間としてじゃなく、カテゴリーだけで分けてるみたいな。そういうものがそもそも必要なのかな?って思う。

ゲイやからって男なら誰でもいいわけないしな。
でもそのノリ、ほんまによく遭遇する。
めちゃくちゃ失礼やし、怒っちゃうな。

んで、これはゲイに対する男性とレズビアンに対する女性の反応だと、前者の方が意識しすぎてる気はする。
レズビアン女性に会った時に女性が「狙わんといてや」って言うのあんまり見たことないし、ゲイに警戒する男性の方が多いように感じててさ。勿論、いろんな人がいる中で傾向の話ね。

確かにそうかも!

で、それってなんでなんかなって思ったら、
"力で負けるかもしれん"とか
"ストレートの男性自身が女性のことを性的対象になり得るかどうかで見すぎてる"とかも関係してるんかもな、とか思ったり。

これも傾向の話で全ての人に当てはまるとは思ってないねんけど、性被害って男性より圧倒的に女性の方が受けること多いやん?
だからなのか、そもそも男性って冗談では「襲わんといてや〜」みたいなこと言うけど、実際の力関係で負けるかもとかっていう怖さを感覚として分かってない人が多い気がする。

それでいうと、さっきのけんじの見解はわたしは後者のがすごく納得したかも。これも偏見やねんけどさ。

ただ面白いと思って言ってる人も多いよね。
そういうのを言ってるところに遭遇したら、「簡単に言っていいことじゃないんじゃない?」って言っちゃう。

それがさ、ゲイとかそういうLGBTQのことを全然知らなくて、「それってどういう感じ?俺って対象に入ったりするのかな?」みたいに"知りたい"って純粋な気持ちで聞いてると誠実な人だなって思ったりする。

聞き方、言い方の大切さって絶対あるよね。

これは誰にでもそうやけど、相手を尊重するのが大事よね。

そこに悪意があるかないかってこととか、相手を尊重してないな、って感じちゃうのが一番だめというか、やっぱり人間関係って何もかも、思いやりの問題になってくるな。

めちゃくちゃ話が逸れたけど(笑)
そのラブホに行った話でいうと、性的な感じじゃなくノリでそういう感じになったんやったら、そんなに相手の性的指向を意識しなければならないのかな?って感じはするかな。
ストレート女性やったら「ラブホ遊びに行こうや」「いこいこー!」ってなるのに、相手がレズビアン女性になった途端に「いや、あなたレズビアンなんでやめときます」ってのも変な感じするっていうか。

これはラブホだったからややこしいだけで、どちらかというと偏見の話というより、パートナーの心情に配慮するかどうか、みたいな話というか。

アケミも青山がそのときそうした(何も考えずラブホに行った)のはごく自然な流れじゃないかなって思った。

確かに、偏見というよりは、彼氏の気持ちへの配慮のなさだったのかも。

恋人がラブホ行ってもOKっていう人もいれば、お茶するだけでもダメっていう人もいるしね。
そこはもう人それぞれだから、話し合って擦り合わせていく問題よね。

配慮の話でいうと、言葉の難しさとかもあるな。「ホモ」とか「レズ」とか言っちゃダメみたいなのとか、「障がい者」の表記とかもそうやねんけど。
配慮するべきことではあるけど、配慮しすぎでは?と思うこともよくある。

そもそも、ホモとかレズって言葉で揶揄するような人がいたからその言葉自体に否定的な意味が感じられるようになってしまっただけで、別にその言葉自体に意味はないよな。
だから俺自身は、そういう言葉の使い方とかLGBTQの扱われ方とかあんまり細かい部分は全然気にならないタイプなんだけど。

うんうん。
これ、弟にも似たようなこと聞いたことがあって。「障害者」を「障がい者」と表記する風潮、当人からしたらどうなん?って。
これもあくまで弟個人の一意見ではあるけど、
「漢字がどうとか気にしたことがないし、周りでそういう話になったこともない。どちらかというと、障がい者本人よりその周りが気を遣って表記を変えていこうって感じになってる気がする」って言っててさ。

難しいよね。言葉を制限しすぎるのもどうかと思うし、でももう既に差別用語としての風潮も出来上がってしまってるから、傷つく人がいることも配慮した方がいい。
まあ、敢えてホモとかオカマって言葉を絶対遣いたい!とかもないし(笑)
それなら、傷つく人がいるかもしれない中、わざわざ遣わなくていいかなって程度。

わざわざ遣いたいって思わんよな(笑)

小学生のときとかは差別用語になると知らなくて遣ってた…とかもあるねんけど、「これは遣うべき言葉じゃないねんな」って徐々に知っていって。

だから、アケミの姪っ子とかさ、(この記事の執筆)当時はまだ知らなくて。男が女になる〜って表現を「オカマ」しか知らない、みたいな。
でもそれは、大人が"言われて傷つく人がいること"だったりを教えていったらいいんちゃうかなと思う。

あとはただ単に、こういう「遣うべきじゃありませんよ〜」って風潮の中で、わざわざ…というか、「あのオカマがさ〜」みたいに話してる人を見るとちょっとそういう意識が低いのかなって感じちゃうところはあるかも。

わかる、わかる。関わりたくなくなる(笑)
自分自身は自分が言われる言葉をそんなに気にしないタイプなんだけど、"出来上がってしまっている風潮"は仕方ないことだから従っていこうっていうか(笑)
そんな中で一切言葉を選ばない人って、他人の心情に鈍感そうだな…と思ってしまう。

今までそういう機会に関わってこなかったりとかして知らないだけなら、知っていけばいいだけやしね。

話は少し変わるねんけど、
ゲイの友達とかが初めてゲイであることをカミングアウトしたのがわたし、ってことが数回あってさ、何でわたしには言ってくれたの?って聞くと
「言っても何も見る目が変わらないだろうなって思えた」と言われることが多くて。

でもそれは単純にわたしが他人に興味ない…友達が誰のことを好きとか性別が何でもどうでもいいから何も変わらんだけやと思ってて。
配慮しなきゃ!とか気を遣わないようにしよう!みたいな気遣いはそこに一切ないんよね。

例えば、わたしが性的に好きだと思う男性の話をしたときに、性別や性的指向がわたしと同じであるストレートの女性でも、わたしの"好きなタイプ"が生理的に全く理解できないって思う人はたくさんいると思う。それは逆に、わたしも理解できないこといっぱいあるし。

厳密に同じと考えてしまうのは暴論すぎるのかもしれんけど…
わたしの性的嗜好だって自分の意識で変えられるものじゃないし、性別とか障がいだって同じようなものなのに、性別とか障がいだとかって話になると途端にセンシティブな話題になる感じがよく分からなくって。

※性的指向=どの性別を恋愛や結婚の対象とするか
※性的嗜好=何に対して性的興奮するか

その人が誰を好きでもどうでもいいよね。

レズビアンの友達への対応もそうやったけどゲイの友達に対する対応も、全然意識せず人として見てた、性的嗜好の違いぐらいの感じで普通に話してたっていうのはむしろ自然なことやと思うな。
でも、センシティブな話題になってしまうのは仕方ないところもあって。既に嫌な思いをしてる人もいれば、ステレオタイプなイメージをつけられたりっていうのがまだある社会やから。

俺自身、例えば身体的な障がいを持ってる人とかは日常で密接に関わる機会がないってのもあって、ちょっと気を遣ってしまうところがあるのは否めない。どういうことで不快にさせてしまうかとかが人それぞれ違うしね。

うん。障がいを持っている人はアケミの周りにもあまりいないから、やっぱり関わるときに言葉は選ぶかな。そこは空気感やけど…ひとりの人として接しようとはする。これは誰にでも。

対応でいうと、アケミもさ、他人事なら「ゲイなんよ」って言われても「そうなんや」で終わるし、その人がどういう属性でも友達ってのは何も変わらんし、ほんまに「そうなんや」ってそれだけで。
でもケンジに恋心を抱いたときに他人事じゃなくて自分事になって、初めての経験というか、話が変わってくるな、といろいろ考えた。

へえ、いろいろ考えてたんや。

めっちゃ考えたよ。今まで男性が性的対象やと思って生きてきてたから。
ケンジは元々友達で、そこから恋心を抱いて、
で、ケンジは男やけど元々は女で…。え?男性が好きって何?自分は何が好きやったんやろ?みたいな。

無意識のうちに"女は男を好きになるもの"っていう常識みたいなものが自分の中にあったのかな、って思う。

それ、すごく分かるな。
自分は何を持ってして男性を男性と認識してるんやろ?って考えることある。
ちんこ自体がついてることに興奮してるわけではないやろうし(笑)

昔、自分のことをバイかな?と思って、女の子と身体の関係になったことがあるんやけど、いざそうなると「あれ?何かが違う」って悲しい違和感を覚えてしまって。
それ以来、性的対象は男性です、と言ってるもののたまによく分からなくなる。

そうやねん。
アケミの中でケンジは元々認識としては"男"で。

これが初めて出会ったときとか今まで、明らかに女性の見た目だったとしたら、またそれはそれで話が違ってきたのかなとかも思うけど。

でも、実際に芽生えた気持ちは嘘じゃないし、ていうことは、自分の中で"元女性であること"とかは関係ないことなのか…?とかね。

なるほどな。
俺自身もそういうことあったもんな。
中学生のときに初めて女の子を好きになったんやけど、それまではそういうもの(女は男を好きになる)やと思ってたし。

アケミの中で、最終的に結論はどこに着地したの?

性別云々でなく、ケンジっていう人間そのものが好き、ってところに至った。

(ばり惚気を聞かされている、幸せになっとけ)

子どもから育てられてく中で教えられる"当たり前"に捕われてることってすごく多いよね。

でもさ、今自分の中にある性指向とかが絶対的なものかというとそうじゃない気もするねんな。
今後誰を好きになるかとか分からんし。

アケミちゃんみたいなパターンもあれば、特定の人に、この人がとても好き!なぜかこの人には今まで感じるはずがなかった性的欲求を感じる。みたいなことって全然あり得ると思う。

わたしの場合でいうと、さっき性的な関係になったと話した女の子のことが単にそこまでめちゃくちゃ好きにならんかっただけかもしれへんし。

ケンジに恋心を抱くまでのわたしは、頭できっぱりジャンル分けしようとしていたんだと思う。無意識に。

はい、お話の途中ではありますが、司会をしたい願望だけはある青山です。
一旦今回の記事はここまでで、話の続きは次の記事にしようと思います!

ここまでお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
とりあえず、まとめの言葉は最後の記事に書くとして、次の記事でお会いしましょう!

追記:
この記事自体は随分前に作成を終えていたのですが、後編をまとめるのが遅くなってしまい、すごくいい記事なのに勿体ない…とりあえず先に前編を出しておこう。という青山の独断で公開することにしました。
ですので、ものすごく中途半端なところで一旦終わっています。ご了承ください。
続きも早めに出します。(多分…)

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