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鎌倉

遮光カーテンの薄暗さにまだ慣れない。
充電を促すスマホと起き上がる。どうやら昨夜のうちに集合時刻も決まっていたらしい。モンスターを倒していたら、行き先がお台場から鎌倉に変更。

小雨を肌に受け止めながら駅へ向かう。
背中にゴツゴツサンダルがあたる。海沿いへ。夏服はほとんど海だから、駆け出していこうとサンダルとタオルを背負った。首筋に感じる熱、降り注ぐ陽光。どうやら目的地は、夏らしい。 

車内で集合。一駅で景色が明確に変わる地点を発見。

北鎌倉 円覚寺へ。

山門を仰いで

山門を入ると、左右には大きな杉があって、高く空を遮ぎっているために、路が急に暗くなった。その陰気な空気に触れた時、宗助は世の中と寺の中との区別を急に覚った。

夏目漱石「門」

山門で一節がよぎる。しかし、駅から山門は、一続きの賑わい。区別を覚えるまもなく、脚を踏み入れる。

方丈殿

仏殿は、ツルツルでピカピカの柱。木造の柱ではないことに気づき、再建の跡を軽く叩く。ひんやりと。この修復もまた証か。「洪鐘祭」生きているから行きたい。


山を越えて、銭を洗う。山道は、想定を超すことばかり。小沼大沼に声をあげる。驚きが楽しい。

大仏 暗雲

大仏にたどり着く。一呼吸置く前に一滴ぽたり。
その一滴を合図に、豪雨に襲われる。

逃げるように駅へ。
江ノ電の満員電車から眺める水平線は、異界に繋がっているよう。線、なんて感じないほどの灰一色。砂浜に押し寄せる波は高く、その引き際を見届けることなく電車が動きだした。

人混みを見送り、少し離れた駅で下車。何かが違ったのだろうか。いつもより数段美味しいファミレスの料理で感動。BOOKOFF半額で14冊、これが今日のお土産。

最後に、念願のアイスクリームを食べて、一人見送られる。 

活字を追う車内の明るさは変わらないのに、空の変化で過ぎた時間を知る。向かいの窓ガラスは、三層重ねで映る。向かい側の外景、反射している車内、その反射の中にある窓にはこちら側の景色が。

乗客と目があった、と思ったのもつかの間、新幹線に追い抜かれる。速い速いどこまでも。

じっと窓をみていた。今日は楽しかった。

かつての名残

鎌倉で100枚の写真が生まれたが、noteを使いこなせず載せることができなかった。最後に☆キャプションだけ羅列する。
☆だんだん階段遠々 さすが鎌倉五山。
☆鉄御簾車
☆居士林に、山岡鉄舟あり
☆根。木
☆がんじがらめ
☆ひょっこり 
☆無意戸
☆黄はここだけ
☆ほら
☆ついたての奥へと誘う鳥の声。
☆採掘
☆見晴らしが悪い
☆光が
☆流るる
☆羊のような木
☆兄の足木
☆吸い込まれた
☆銀杏の木で人間が隠れるのだろうか
☆生い茂る木
☆人も小人
☆整う瓦
☆一面
☆ごっそり
☆Tが主役
☆青色の幽霊
☆女の子がおちてくる穴
☆反るこだわり
☆逆のく
☆隙間
☆強豪校に囲まれた
☆人工
☆抹茶ティラミス土
☆建物の柱と屋根がみたい
☆変形するやつ
☆鈍色滲んだ
☆小扉
☆一直線の遮り
☆なにかがみえた
☆生活を水射


☆途絶えるなかれ
☆歪みと根はり
☆踏みしめて
☆嘘のご来光
☆空海
☆8月
☆逞しい黒カラス
☆もう少しで届く反逆
☆端

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