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学習理論① 古典的条件づけ1

皆さんパブロフの犬って聞いたことがありますか?

犬に向かってベルを鳴らすと犬がダラダラとよだれを垂らすイメージが出てきたかは立派な心理学徒といえるのではないでしょうか。

実は、このパブロフの犬の実験は心理学ではかなり重要なポディションです。学習理論と呼ばれる心理学の一分野があるのですが、そのすべてはパブロフから始まっていると言っても過言ではないでしょう。

「実際パブロフの犬ってなんなのよ」

そう思う人も少なくないかもしれませんね。実はあれ、人間にもとってもなじみのある現象に関するものなんです。そのなじみのある現象とはあれです。「梅干を見ると唾液が出る現象」です。

これだけ言ってもさっぱりわからないと思いますので詳しく解説していきましょう。

難しい用語の説明

まずは「刺激(stimulus)」について説明していきましょう。皆さんも「今日は刺激が欲しいぜ」というように刺激という言葉を日常的に使っていると思います。心理学では、日常でも使う用語を学問の中でも使っています。意味合いは微妙に違ったりしますので、そのような言葉が出てきたら注意する必要があるでしょう。

心理学での刺激とは五感を反応して人間の内部に取り込まれるものです。例えば、赤いリンゴの場合は、「赤い」という光の反射具合の刺激と、「あまりにおい」というにおい成分の刺激などがあります。感覚器によって主に受け取るものが違いますので確認しておきましょう。物理的な刺激を受け取るものを物理的感覚、化学的な刺激を受け取るものを化学的感覚と言ったりします。(光や音といった波の刺激は物理的な刺激です)

以上のように考えると、目・耳・肌が物理的感覚になり、鼻・舌が化学的感覚になります。

さて、それでは梅干を見ると唾液がでるというのを考えてみましょう。皆さんは小さな時から梅干を見ると唾液が出たのでしょうか。実はこれは違います。梅干を口に入れるとたくさん唾液が出るのは小さい時から同じです。

梅干を口に入れると唾液が出るので会って、見ると唾液が出るわけではありません。生態的には味覚と唾液がくっついているのであって、視覚と唾液がくっついているわけではありません。

このように生態的に組み込まれているくっつきを無条件刺激(UCS:UnConditionedStimulus)と無条件反射(UCR:UnConditionedResponce)といいます。生まれつきは頭に「U」がついている組み合わせです。

しかし、皆さんは梅干を見ると思うわけです。

「今からあの梅干が口にはいるだんろうな」「すっぱいだろうな」

このように、この後来るUCSを予測するとついつい唾液が出てしまうのです。このように生態には組み入れられていない刺激と反応を条件反射(CS:ConditionedStimulus)と条件反応(CR:ConditionedResponce)といいます。条件反応と無条件反応は多くの場合一緒です。

なぜ梅干を見ると唾液が出るかというと、目をつぶって梅干を食べる方はほとんどいませんので、梅干を見た後(視覚刺激)に口に入る(味覚刺激)があるからです。このように二つの反応を見せると(対提示)すると、条件刺激に対して条件反応を見せてしまうのです。

絵でわかるパブロフの犬

パブロフはこれを犬を使って初めて証明して見せたのです。

犬はお肉を見ると唾液が出てきてしまいます。もしかしたらにおいや音かもしれませんが、今回はとりあえず見るとよだれが出るにしておきましょう。このときお肉は無条件刺激で、よだれは無条件反応です。

ここにベルを鳴らした後でお肉を出します。(ベルとお肉の対提示)

すると、そのうち犬はベルの音(条件刺激)を聞いただけでよだれ(条件反応)が出るようになるのです。

これを図にまとめると以下の通りになります。

古典的条件付け1-1

古典的条件付け1-2

ここまでが古典的条件づけの超基礎編です。

次はもう一歩進んだ古典的条件づけを学びましょう。

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