勝手に1日1推し 27日目 「世界の中心で愛なんか叫べねーよ」
「世界の中心で愛なんか叫べねーよ」語シスコ 漫画
BL初心者だった頃の私は、正にBL界のドン、三浦しをん先生のエッセイ「シュミじゃないんだ」を基に作家さんやら作品やらを学んでおりました。ちなみにこのBLエッセイ集は全てのボーイズラブ作品、作家さんとボーイズラブを愛する者たちへ、愛と敬意が込められており、その熱量はタイトル通り「シュミ(趣味)」じゃないんです!!自身の存在理由とさえ言えましょう。BL指南本としてだけではなく、とにかく面白い他の先生のエッセイ本と同様に楽しめる内容となっておりますので、こちらも推したいところです。が、本日はその中で紹介されていた語シスコ先生の作品について書きたいと思います。
三浦しをん先生をもってして「天才」と言わしめた語シスコ先生。ふむふむ、果たして天才でした。一気にファンになりました。ストーリーテリングの巧みさで短編でも読み応えがあり、最高です。そしてビバ、ギャップ萌え!
はっきり言って、本屋さんに先生の作品が並んでいて、何の予備知識なしに手に取るか?というとそうではないかもしれません(褒めています!)。まず、作画にかなりパンチがあります。それで一瞬尻込みしかねない。内容も18禁でかなり濃ゆいし、ちょっと退廃的だったりして、好きもの(?)な感じが拭い去れません(もちろん、エロや際どいシーンも先生の作品の魅力の1つです)。しかーし、読み切った後には全く違った印象になっているのが不思議です。とても深い内容で感動している自分がいます。
アイデンティティが確立した者同士の恋愛、同性同士の恋愛の本質を描いていると思います。よく見られる内なる悩みじゃなくて、他者に対して自分の力ではどうすることも出来ないという根本的な部分で生じる心の揺らぎが緻密に描かれていて、そこにごまかしが見られないんです。ちょっとのあきらめと逃げ、自己防衛や小賢しさを含めた人間らしさが琴線を刺激してきます。主人公たちが自分らしく迎えるラストは、たとえハッピーエンドじゃなかったとしても十分納得できます。クセのある少々暑苦しい作画も(褒めています!)登場人物たちの情の厚さが表れているようで、本当に内容にマッチしているなぁと、毎度読後にその良さを嚙み締めております。愛しさと切なさと心強さとで涙がでちゃう。篠原涼子状態です。
本作は「LOVE & CATASTROPHES」の続編です。「Love &~」は絶版なのか手に入らず(欲しい!)悔しいですが、続編にて、きくちゃんとイチローがまた見られて嬉しいし、彼らの周りの人々のお話も素敵で大満足です。泣けます。マジ泣けます。ちなみに中村明日美子先生も大絶賛です!!随所に明日美子先生によるあれこれも載っていてウハウハですよ。言わんでいいけど、もちろん私も大絶賛です。語シスコ先生、先生の作品は味わい深く、独特で、可愛くて、エロくて、最高です!大好きです。
ということで、推します。
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